【編集長の視点】ジャムコはもみ合いも東証1部指定替えの需給好転思惑が底流し下値対応妙味

編集長の視点

ジャムコ<7408>(東1)は、きょう23日に東証第2部から東証第1部に指定替えされて売買がスタートしたが、寄り付き直後に5円高の3795円と通算して3営業日続伸し、前週末20日取引時間中につけた上場来高値3795円に顔合わせしたあと、40円安と下ぶれるなどもみ合いを続けている。最高値水準で利益確定売りが交錯しているものだが、指定替えに際して新株式発行などの希薄化材料を伴わないことから、東証1部上場とともに東証株価指数(TOPIX)に算入されTOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生する需給好転思惑が底流しており、目先売り一巡後の下値対応妙味を示唆している。今3月期業績が、すでに3回も上方修正されて連続して過去最高純利益を大幅に更新し、期末配当も増配を予想していることもサポート材料として意識されそうだ。

■航空機の増産対応に円安も加わり今期業績は3回も上方修正

同社の今期業績は、昨年8月、10月、今年2月と3回上方修正され、期初予想の売り上げ725億9400万円、経常利益53億3900万円、純利益30億4300万円が、売り上げ786億円(前期比21.1%増)、経常利益71億円(同56.7%増)、純利益47億円(同72.7%増)に引き上げられて連続増収増益率を伸ばし、純利益は、前期の過去最高を大幅に更新する。航空機内装品事業でボーイング787関連内装品への増産対応や円安進行に伴う為替差益の計上、さらに持分法適用関連会社のシンガポール子会社を連結子会社化したことにより特別利益が発生したことなどが業績を押し上げる。期末配当は、25円(前期実績15円)と連続増配幅を拡大させる。

■航空機向けラバトリーでは世界トップに位置し新規受注も相次ぐ

株価は、昨年10月の今期業績の再上方修正で3000円台に乗せ、3440円まで買い進まれ、今年2月の再々上方修正では好材料出尽くし感も出て、2874円と調整したが、東証1部指定替え承認とともに窓を開けて上場来高値まで約600円高の急伸を演じた。PERは21倍台とやや割高となるが、航空機向けラバトリー(化粧室・厨房設備)では世界トップに位置する実力から新型航空機向け新規受注が続くこともサポートして上値トライが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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