【編集長の視点】日本MDMは続落も連続増益業績と連続増配を手掛かりに押し目買いも交錯

 日本エム・ディ・エム(日本MDM、7600>(東1)は、前日31日に18円安の1058円と反落して引けた。同社株は、前日の取引時間終了後に今2019年3月期第1四半期(2018年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定し、業績期待を高めていたが、昨日31日に発表された日銀の金融政策変更を巡って全般相場が乱高下した影響が及び、7月2日に年初来高値1209円まで買い進まれていただけに目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ、同社の今3月期通期業績は続伸が予想され、配当も連続増配を予定していることを手掛かりに押し目買いも交錯した。実際に前日大引け後に開示された今期1Q業績は、今期第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)累計予想業績に対して順調な利益進捗率を示しており、業績期待を裏付けている。

■米国で人工股関節製品が順調に伸び国内では脊椎固定器具が2ケタ増

 同社の今2019年3月期業績は、売り上げ157億5000万円(前期比6.4%増)、営業利益22億5000万円(同10.0%増)、経常利益21億円(同6.9%増)、純利益15億円(同5.2%増)と続伸が予想されている。昨年8月に骨接合材料の新製品「プリマ ヒップ スクリュー サイトプレート システム」が薬事承認されて以来、脊椎固定器具の新製品や骨接合材料の新製品、人工股関節の新製品などを国内、米国で販売開始しており、国内では脊椎固定器具の売り上げが、前期比11%増の17億8000万円、骨接合材料が、同6.8%増の34億円、米国販売では、人工関節が、同9.6%増の56億9400万円などと伸び、今年4月に実施された償還価格引き下げの影響を極小化するために製造原価の一段の低減に取り組んでいることなどが、要因となる。配当は、9円(前期実績8円)と連続増配する。

 実際に前日31日大引け後に発表された今期1Q業績は、前年同期比11.7%増収、0.3%営業減益、2.7%経常減益、12.9%純益増益と増減マチマチで着地したが、今期2Q累計予想業績に対する利益進捗率は、55%~64%に達し目安の50%を上回った。円高の影響や給料及び手当などの増加で販管費が負担増となって小幅減益転換したが、米国子会社の売り上げが、前年同期比22.2%増と大きく伸びて、償還価格の引き下げで同3.8%減となった国内売り上げをカバーして2ケタ増収と連続増収率を伸ばした。今期2Q累計業績・3月通期業績は、期初予想を据え置いた。

■25日線を出没の三角保ち合いが煮詰まり上放れから年初来高値抜けに弾み

 株価は、年初の900円台固めから今期業績の続伸予想、積極的な中期経営計画の発表などを好感して1000円台に乗せ、さらに人工股関節の新製品「「レジェンド カップ」の国内薬事承認が続いて1100円台へ水準を上げ、さらに同業他社の脊髄損傷治療薬の製造販売承認申請に関連人気を高め年初来高値1209円まで上値を伸ばした。同高値後は、世界貿易戦争を懸念した全般波乱相場に巻き込まれて1000円台下位まで調整、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。三角保ち合いを上放れ、年初来高値抜けから一段の上値チャレンジに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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