エイトレッドは戻り高値圏、19年3月期1Q大幅増収増益で通期も増収増益・増配予想

 エイトレッド<3969>(東マ)はワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。導入企業・クラウド利用数が順調に増加して19年3月期第1四半期は大幅増収増益だった。そして通期も増収増益・増配予想である。株価は戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。

■ワークフローシステムで国内首位

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。

 ワークフローというのは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書などの作成~申請~回覧~承認~保存~履歴管理のように、企業内における業務・事務処理手続きの一連の流れ・プロセスのことである。

 このワークフローをコンピュータに組み入れて、従来の紙文書での手書き・回覧作業を、パソコン・スマホ入力で電子文書化することによって、業務負担の軽減、ペーパーレス化、回覧に要する時間の短縮、書類の紛失防止など、業務効率化・迅速化やセキュリティ向上を実現するシステムが「ワークフローシステム」である。
 主力製品は、パッケージ型の小規模・中規模企業向けX-point(エクスポイント)、中規模・大規模企業向けAgileWorks(アジャイルワークス)、クラウド型の小規模企業向けX-point Cloud(エクスポイントクラウド)である。17年5月にはクラウドアプリプラットフォームのATLED Work Platformの提供を開始した。

 03年X-point販売開始以来、スモールビジネスから大手企業まで2000社を超えるパッケージ製品導入実績を誇り、国内ワークフローシステム市場において6年連続シェア1位(株式会社ミック経済研究所調べ)を獲得している。

 パッケージ導入企業数、クラウド利用ユーザー数とも増加基調であり、ストック型収益(サービス&サポート)比率が上昇基調である。販売面では第2位株主であるSCSK<9719>など、幅広い顧客層をカバーする大手SIとのパートナー関係を構築している。

■ワークフローシステムの市場は拡大基調

 ワークフローシステム市場は、09年度から15年度まで年平均13.5%(株式会社ミック経済研究所調べ)と高成長を続けている。しかし依然としてワークフローシステムによる電子文書化を導入せず、紙・手書きベースでの業務・事務処理に依存している企業が多いため潜在市場は大きい。また在宅勤務やテレワークといった働き方改革の推進、企業不祥事防止のための内部統制強化の流れなども背景として、市場は拡大基調が期待される。

 こうした事業環境に対応し、中期成長戦略として営業の強化、アライアンスパートナーの開拓、製品機能の強化、クラウド対応の拡大などの施策を推進する方針だ。

■19年3月期1Qは大幅増収増益、通期も増収増益・増配予想

 19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比13.8%増の12億60百万円、営業利益が16.9%増の3億79百万円、経常利益が11.0%増の3億60百万円、純利益が7.2%増の2億39百万円としている。導入企業・クラウド利用数が順調に増加して増収増益予想である。

 配当予想は年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)としている。17年12月17日付株式3分割後に換算した18年3月期の年間10円34銭に対して66銭増配となる。予想配当性向は31.3%である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比23.5%増の2億82百万円で、営業利益が64.0%増の58百万円、経常利益が64.5%増の58百万円、そして純利益が51.6%増の35百万円だった。パッケージソフトは17.1%増収(フロー売上が17.9%増収、ストック売上が16.6%増収)、クラウドサービスは46.0%増収(フロー売上が7.2%増収、ストック売上が49.5%増収)だった。

 市場拡大も背景として、パッケージソフト、クラウドサービスとも大幅増収基調である。通期ベースでも好業績が期待される。

■株主優待制度は9月末と3月末の年2回実施

 株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。

■株価は戻り高値圏

 株価は順調に下値を切り上げて戻り高値圏だ。そして6月の年初来高値1525円に接近している。8月1日の終値は1401円、今期予想PER(会社予想のEPS35円15銭で算出)は約40倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は約0.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS212円47銭で算出)は約6.6倍である。時価総額は約95億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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