JFEシステムズは調整一巡感、19年3月期1Q営業微減益だが通期営業増益・増配予想

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 JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。19年3月期第1四半期は営業微減益だったが、通期はJFEスチール製鉄所システムなど需要が高水準に推移して営業増益・増配予想である。株価はやや上値の重い展開だが、第1四半期営業微減益に対するネガティブ反応が限定的であり、調整一巡感を強めている。

■JFEグループの情報システム会社

 JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。

 18年1月本社および首都圏オフィスを移転・集約した。健康経営や働き方改革を推進する。18年2月経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人2018(ホワイト500)大規模法人部門に選定された。18年2月クラウドセキュリティの国際規格ISO/IEC27017:2015認証を取得した。

 18年3月には、スミセイ情報システムと連携して日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(JIIMA認証)を取得した。また「がん対策推進企業アクション」推進パートナー企業に登録した。18年6月には東京証券取引所「攻めのIT経営銘柄」にJFEホールディングス<5411>が4年連続で選定されたと発表している。

 18年3月期事業別売上高は鉄鋼183億円、一般顧客142億円、基盤サービス40億円、子会社(JFEコムサービス)38億円だった。情報システム関連のため収益面では年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。

■19年3月期1Q営業微減益だが、通期は営業増益・増配予想

 19年3月期の連結業績予想は売上高が18年3月期比6.7%増の430億円、営業利益が3.0%増の28億90百万円、経常利益が2.9%増の29億円、純利益が55.3%増の19億円としている。配当予想は20円増配の年間70円(期末一括)としている。6期連続増配予想で予想配当性向は28.9%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比4.1%増の97億31百万円で、営業利益が3.9%減の4億78百万円、経常利益が7.3%減の4億68百万円、純利益が3億07百万円(前年同期は1億62百万円の赤字)だった。販管費増加などで営業微減益だったが、需要が堅調に推移して増収基調である。純利益は本社移転・首都圏オフィス集約に関連した特別損失が一巡して黒字化した。

 第1四半期は営業微減益だったが、通期はJFEスチール製鉄所システムなど需要が高水準に推移して営業増益予想である。4期連続過去最高を目指す。純利益は特別損失一巡も寄与する。事業別売上高の計画は鉄鋼195億円、一般顧客146億円、基盤サービス46億円、子会社(JFEコムサービス)43億円としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性があるためネガティブ要因とはならない。通勤ベースで好業績が期待される。

■21年3月期経常利益32億円以上目標

 中期経営計画(19年3月期~21年3月期)の目標数値には、21年3月期売上高460億円以上、経常利益32億円以上、純利益20億円以上、配当性向(目安)30%を掲げている。

 重点戦略は、高収益事業への構造転換では、製鉄所システムリフレッシュ本格化に向けた体制確保、AIやIoTなど新技術を活用したソリューション事業の拡大、クラウドやセキュリティ関連など基盤サービス事業の拡大、基幹事業の強化では、自動車向け体制充実や金融向け構造転換推進など製造・金融分野の顧客基盤強化、プロダクト事業(食品、電子帳票)強化によるニッチトップ確立としている。

■株価は調整一巡感

 株価は2200円~2400円近辺のレンジで推移している。やや上値の重い展開だが、第1四半期営業微減益に対するネガティブ反応が限定的であり、調整一巡感を強めている。

 8月2日の終値は2259円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS241円95銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間70円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1700円28銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約177億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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