【新規上場(IPO)銘柄】アクリートは7月26日に上場、金融機関など幅広い領域で収益機会広がる

株式市場 IPO 鐘

 アクリート<4395>(東マ)は、7月26日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「日本におけるSMS配信事業のパイオニア」で「世界が認める、グローバル品質と信頼性」のSMS配信サービスを提供している。同社は国内の携帯電話事業者3社との直接回線接続、大量配信に耐えうるSMS配信システムなどから海外SMSアグリゲーター、IT企業、コールセンター、人材サービス会社等からの支持を受け、業界内でのポジションを確立している。

 大手グローバル企業が国内向けに配信するSMSを対象としたSMPP国際ゲートウェイサービスの有用性が海外SMSアグリゲーターに浸透し、配信数が増加。また、国内企業向け直接販売におきましては、債権回収、人材サービス、仮想通貨取引所等の分野でのSMS配信サービスの利用が拡大し、販社・代理店においては、システム開発会社、マーケティング関連企業等の配信数が増加したことにより堅調に推移している。


 今2018年12月期第2四半期業績実績は、売上高3億2400万円、営業利益5000万円、経常利益4500万円、純利益3000万円に着地。

 今18年12月期業績予想は、売上高13億9000万円(前期比46.4%増)、営業利益2億2000万円(同28.3%増)、経常利益2億0100万円(同17.5%増)、純利益1億3000万円(同16.1%増)を見込む。上場で調達した資金は、人材採用やシステム開発に充てる計画で、成長投資を優先するため、年間配当は、無配を予定している。

 株価は、上場初日の7月26日に公開価格770円の2.0倍相当の1542円で初値をつけ、同日安値1300円を下値に8月2日高値1680円と上昇している。企業と個人の間でのコミュニケーション手段としてSMSの有用性を再認識する企業の増加やコインチェック不正流出事件の影響による個人認証への関心の高まりを背景に、金融機関や仮想通貨、流通・物流、行政機関、IOT、CS2といった領域で収益機会が広がるとの期待感が高まっている。外部環境に不透明感があり、需給面の良好なIPOとして人気が続く可能性はありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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