【編集長の視点】ラクーンは年初来安値水準から3連騰、連続の最高純益更新・増配を見直し売られ過ぎ訂正

 ラクーン<3031>(東1)は、前日2日に1円高の507円と変わらずを含めて3日続伸して引け、今年7月5日につけた年初来安値495円に並ぶ安値水準から底上げをした。今2019年4月期の純利益が、連続の2ケタ増益で過去最高更新が予想され、配当も、連続増配が観測されていることを見直し売られ過ぎ訂正買いが増勢となった。今年11月には持株会社に転換して業績成長が再加速することや、テクニカル的にも、年初来高値878円から6カ月を経過、絶対高値期日が一巡しダブル底を形成したことで底上げ加速の期待を高めている。

■EC事業は国内・海外とも続伸しPaid事業の導入店舗も拡大

 同社の今2019年4月期業績は、売り上げ27億900万円(前期比6.4%増)、営業利益5億1300万円(同17.2%増)、経常利益5億800万円(同17.7%増)、純利益3億3000万円(同16.6%増)と見込まれ、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。EC事業では、スーパーデリバリーの国内流通額が、前期にプラス転換した上に海外流通額が続伸し、Paid事業では、LIXILビバの「売掛カード」による利用が今年4月から全店舗の店頭に拡大し、保証事業では、保証残高が、前期末で184億円(前々期末比62.2%増)と積み上がり、「事業用家賃保証」、「URIHO」も順調に売り上げを伸ばし、すべてのサービスの保証残高が増加することなどが要因となる。

 配当は、期初には未定としているが、連続増配の可能性があり、東洋経済会社四季報最新号では、5.2円~5.5円と観測されている。同社は、前期配当も期初以来、未定してきたが、期末の今年4月12日に順調な業績推移を考慮して5.2円(前々期実績4.5円)に増配しており、再現が有力視される。

 なお今年11月の持株会社化では、新規事業の創出やM&Aなど成長戦略を積極化推させ、業績を再成長させるが、この効果は、今2019年4月期の予想業績には織り込んでいない。

■絶対高値期日が一巡しダブル底を形成し25日線抜けからまず3分の1戻しを目指す

 株価は、昨年12月8日に同社のクラウド受発注システム「COREC(コレック)」が特許を取得したことを評価して2015年に実施した株式分割(1株を3株に分割)の権利落ち後高値889円まで買い上げられ、年明け後も高値水準で推移したが、その後、世界同時株安の影響を何度も受けて下値を探り、足元では、米中の貿易戦争勃発で年初来安値495円へ突っ込んだ。同安値と7月30日の497円安値でダブル底を形成し底上げに転じ、これまで上値抵抗線だった25日移動平均線抜けを窺っている。絶対高値期日も一巡し一段の戻りにトライ、まず年初来高値から同安値への調整幅の3分の1戻しの600円台奪回に進もう。(本紙編集長・浅妻昭治) 

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