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ピックルスコーポレーションは日柄調整完了、19年2月期2桁営業増益予想
- 2018/8/6 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、惣菜分野への事業展開も加速している。19年2月期は2桁営業増益予想である。株価は上場来高値圏で日柄調整完了感を強めている。上値を試す展開が期待される。
■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上
漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。
17年7月ピックルスコーポレーション関西の中国・四国・九州地区の事業を分割し、新設のピックルスコーポレーション西日本に継承した。17年12月には関西地区の生産体制を強化するため手柄食品(兵庫県姫路市)を子会社化した。また九州地区で事業拡大するため佐賀工場を新設する。
新たな販売チャネルとして、ピーネ12乳酸菌活用した商品のECサイト「ピーネオンラインショップ」と、国産・化学調味料不使用にこだわった漬物のECサイト「八幡屋オンラインショップ」を、4月に開設した。
18年2月期の品目別売上構成比は製品61.4%(浅漬・キムチ42.8%、惣菜16.2%、ふる漬2.4%)および商品38.6%で、販路別売上構成比は量販店・問屋等71.8%、コンビニ13.0%、外食・その他15.2%である。
■19年2月期2桁営業増益予想
19年2月期連結業績予想は売上高が18年2月期比7.4%増の403億86百万円、営業利益が15.0%増の13億01百万円、経常利益が14.6%増の14億13百万円、純利益が3.5%減の8億41百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間25円(期末一括)としている。18年2月期には記念配当3円を含んでいるため普通配当ベースでは3円増配となる。予想配当性向は19.0%となる。
積極的な営業活動などで増収基調に変化はなく、ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場の稼働、子会社化した手柄食品も寄与する。販管費増の増加を吸収して2桁営業・経常増益予想である。売上総利益率は0.4ポイント上昇の23.4%、販管費比率は0.2ポイント上昇の20.2%の想定である。
第1四半期は、売上高が前年同期比4.0%増の100億07百万円、営業利益が14.5%増の4億15百万円、経常利益が14.2%増の4億43百万円、純利益が11.2%減の2億33百万円だった。
主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズがリニューアル効果などで堅調だった。17年12月子会社化した手柄食品も寄与して増収、原料野菜の価格安定も寄与して2桁営業増益だった。売上総利益率は23.8%で0.7ポイント上昇、販管費比率は19.7%で0.4ポイント上昇した。なお固定資産処分損の計上や法人税等の増加で純利益は減益だった。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.8%、営業利益31.9%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。
■中期的に収益拡大基調
中期経営目標値は、21年2月期売上高450億円、営業利益15億70百万円、経常利益16億80百万円、純利益10億08百万円としている。
天候不順による原材料価格高騰がリスク要因となるが、主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのリニューアルや惣菜製品などの製品開発、既存取引先への深耕や新規取引先の開拓、西日本エリアでの生産能力増強や営業強化、契約栽培拡大など原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直し、市場規模が大きい惣菜分野への事業展開加速などを推進している。中期的に収益拡大基調が期待される。
■株価は高値圏で日柄調整完了
株価は6月の上場来高値2365円まで上伸し、その後も高値圏で堅調に推移している。そして日柄調整完了感を強めている。
8月3日の終値は2162円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS131円53銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1733円07銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約138億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)