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ミロク情報サービスは年初来安値圏だが好業績を見直し、19年3月期1Q順調で通期2桁増収増益・連続増配予想
- 2018/8/6 07:40
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ミロク情報サービス<9928>(東1)は、財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。19年3月期第1四半期は増収増益と順調だった。そして通期は2桁増収増益・連続増配予想である。株価は水準を切り下げる展開で、第1四半期業績に対してもネガティブ反応となったが、好業績を見直して反発を期待したい。
■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。
18年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が61%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。
会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標として21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指している。
■クラウドサービスやFinTech分野を強化
中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築し、振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など、新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開している。
子会社のビズオーシャンは、音声AIを活用して報告書や業務日報などのビジネスドキュメントを手軽に作成する新サービス「SPALO(スパロ)」を開発し、17年10月から提供開始した。
17年11月には新生銀行と資本業務提携した。MJS製品における金融サービス開発および地域金融機関への展開で連携する。またFinTech企業を支援するため新たなファンド事業への参画も検討する。18年3月には、小規模事業者を対象とした口座情報や各種取引情報の自動取得を可能とするクラウドサービス「MJSお金の管理」の提供を開始した。中小企業の経営・業務改善を支援する「bizskyビジネス・プラットフォーム」上で稼働するサービスだ。
8月1日にはクリプトリンクの法人向け仮想通貨会計データ作成ツール「クリプトリンク法人会計」とのデータ連携開始を発表した。
■19年3月期1Q順調で通期2桁増収増益・増配予想
19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.9%増の306億円、営業利益が12.6%増の50億50百万円、経常利益が13.0%増の50億円、純利益が14.3%増の32億90百万円としている。配当予想は3円増配の年間30円(期末一括)としている。連続増配予想で、予想配当性向は28.5%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比10.5%増の77億29百万円、営業利益が9.3%増の14億26百万円、経常利益が15.3%増の14億75百万円、純利益が25.2%増の9億26百万円だった。
システム導入契約売上高は11.2%増収(ハードウェアが3.8%増収、ソフトウェアが13.8%増収、ユースウェアが10.2%増収)だった。サービス収入は4.4%増収(TVS収入が2.3%増収、ソフト使用料収入が10.3%増収、ソフトウェア運用支援サービス収入が5.0%増収、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が1.5%増収、サプライ・オフィス用品が1.1%増収)だった。いずれも好調に推移して増収増益だった。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.3%、営業利益28.2%と順調である。通期ベースでも新規開拓による顧客基盤の拡大、先端技術を活用した製品開発、コスト構造最適化による生産性向上、新規事業推進とグループシナジー最大化などの施策で、システム導入契約売上高、サービス収入とも順調に拡大する見込みだ。好業績が期待される。
■株価は年初来安値圏だが好業績を見直し
株価は水準を切り下げる展開で、8月3日には年初来安値となる2457円まで調整した。第1四半期業績に対してもネガティブ反応の形だ。
8月3日の終値は2468円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS105円33銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS520円87銭で算出)は約4.7倍、時価総額は約859億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、好業績を見直して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)