- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- テクマトリックスはJPX日経中小型株指数構成銘柄に選定、19年3月期1Q大幅増益で通期増益・連続増配予想、
テクマトリックスはJPX日経中小型株指数構成銘柄に選定、19年3月期1Q大幅増益で通期増益・連続増配予想、
- 2018/8/9 05:01
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は、システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などの情報サービス事業を展開している。19年3月期第1四半期は大幅増収増益だった。そして通期も増収増益・連続増配予想である。なおJPX日経中小型株指数の2018年度構成銘柄(全200銘柄)に選定された。株価は高値圏で乱高下する形となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。
■セキュリティ関連やクラウドサービスなどを展開
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fastシリーズ」や、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。
連結子会社は、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開するNOBORI、遠隔画像診断関連ITサービスなどを展開する医知悟、ITシステム基盤コンサルティングなどを展開するクロス・ヘッド、沖縄県内でIT人材教育・育成やデータセンターサービスなどを展開する沖縄クロス・ヘッド、システム開発などを展開するカサレアルの5社である。
18年3月期末の「NOBORI」の契約施設数は800施設、画像保管患者数は2154万6250人、保存検査件数は1億1564万1249件となった。18年5月には経済産業省と東京証券取引所による「攻めのIT経営銘柄2018」において「IT経営注目企業2018」に選定された。医療情報クラウドサービス「NOBORI」が評価された。
18年3月期のセグメント別売上高構成比は情報基盤事業67%、アプリケーション・サービス事業33%、営業利益構成比は情報基盤事業82%、アプリケーション・サービス事業18%だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■中期経営計画で21年3月期営業利益27億円目標
中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、目標数値に21年3月期売上高280億円、営業利益27億円を掲げている。セグメント別には、情報基盤事業の売上高が185億円で営業利益が17億50百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が95億円で営業利益が9億50百万円とした。
事業戦略としては、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、およびセキュリティ&セイフティ(安心と安全)の推進、さらに資本・業務提携や大学・研究機関との連携など事業運営体制の多様化、全領域におけるサービス化の加速、AI利用を含むデータの利活用、BtoC(消費者向けビジネス)への参入、海外市場での事業の加速、グループを横断した人財・技術の有効活用など事業運営基盤の強化、M&Aの活用を掲げている。
なお事業運営体制の多様化で18年4月、医療システム事業を子会社NOBORIに承継し、さらにNOBORIが行う第三者割当増資を三井物産<8031>が引き受けた。三井物産と共同で事業展開する。
■19年3月期1Q大幅増益で通期も増益・連続増配予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比4.2%増の245億円、営業利益が15.6%増の22億円、経常利益が5.6%増の21億70百万円、純利益が6.3%増の13億90百万円としている。配当予想は3円増配の年間23円(期末一括)で、予想配当性向は28.7%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比14.7%増の56億58百万円で、営業利益が3.4倍の3億53百万円、経常利益が30.6%増の3億20百万円、純利益が44.2%増の2億13百万円だった。
情報基盤事業は21,2%増収で2.5倍営業増益だった。セキュリティ関連などが好調に推移した。アプリケーション・サービス事業は3.3%増収で営業黒字化した。医療情報クラウドサービス「NOBORI」の累積契約施設数が増加し、CRM分野、ソフトウェア品質保証分野、インターネットサービス分野も好調だった。
通期ベースでも、情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業とも伸長して、増収増益予想である。売上高の計画は情報基盤事業が2.9%増の163億円、アプリケーション・サービス事業が6.9%増の82憶円としている。医療情報クラウドサービス「NOBORI」の契約施設数の目標は1000施設としている。好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。
■株価は目先的な売り一巡して上値試す
7月2日に自己株式消却、および大和証券を割当先とする第1回行使価額修正条項付新株予約権発行を発表し、18年3月末時点で保有する自己株式738万7953株のうち、約3分の1に相当する250万株を7月5日付で消却した。そして第1回新株予約権発行に自己株式から最大250万株を充当して資金調達した。
株価は高値圏で乱高下する形となった。7月11日の直近安値1846円から急反発し、8月1日には2498円まで上伸して上場来高値を更新する場面があったが、その後は一転して急反落の形となった。
8月8日の終値は2185円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円02銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS339円40銭で算出)は約6.4倍、時価総額は約486億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)