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日本エンタープライズは底打ち感、事業ポートフォリオ再構築で19年5月期大幅増益予想
- 2018/8/10 06:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
日本エンタープライズ<4829>(東1)は、店頭アフィリエイトサービス事業や中国での携帯電話販売事業を譲渡し、事業ポートフォリオ再構築を推進している。19年5月期は大幅増益予想である。収益改善を期待したい。株価は底打ち感を強めている。
■事業ポートフォリオ再構築を推進
クリエーション事業(交通情報、ライフスタイル、エンターテインメントなどのモバイルコンテンツをキャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、およびビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、ソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、店頭アフィリエイトを中心とした広告代理サービス、海外サービスなど)を展開している。
事業ポートフォリオ再構築で18年2月、店頭アフィリエイトサービス事業をテレステーションに譲渡した。また18年3月、中国で携帯電話販売事業を展開する連結子会社の因特瑞思の出資金持分を売却した。因特瑞思の100%子会社である瑞思創智も譲渡先に移動して事業撤退した。
中期成長に向けて、ネイティブアプリの開発力強化、ゲームコンテンツ市場への本格参入、法人向け業務支援サービスの早期収益化、成長分野のM2M/IoTへの事業領域拡大などを推進する。
クリエーション事業のコンテンツサービスにおいては、ヘルスケアアプリ「女性のリズム手帳」、フリマアプリ「フリマjp」、交通情報サービス「ATIS交通情報サービス」、総合電子書籍サービス「BOOKSMART」を中心に効率的な運用で収益確保を目指し、他社とのアライアンス強化で新規コンテンツも提供する。
ビジネスサポートサービスにおいては、交通情報サービスのライセンス提供や法人向けクラウドサービスの開発、EC関連の受託開発、IP電話アプリ「AplosOne」やチャットアプリ「Fivetalk」など独自ブランド・パッケージサービスの強化を推進する。キッティング支援ツール「Certino」提供・キッティング業務BPOサービス、鮮魚EC「いなせり」の拡大も推進する。
ビジネスサポートサービスでは18年2月、子会社の会津ラボとエナリス<6079>が福島県の再生可能エネルギー関連技術実証支援事業の一環として、ブロックチェーンと「SMART PLUG」を活用した「高齢者見守りサービス」の実証試験を開始した。
18年7月には、福島県平成30年度福島県海外連携型再生可能エネルギー関連研究開発支援事業に、会津ラボのEU向けスマートプラグの試作品開発が採択された。また18年7月には会津ラボが、福島県の「自動運転に係る情報基盤の構築およびまちなか巡回車両の実用化に向けた実証実験」第2期実証実験が採択された。
■19年5月期大幅増益予想
19年5月期の連結業績予想は、売上高が18年5月期比0.1%増の38億95百万円、営業利益が62.9%増の2億85百万円、経常利益が34.0%増の3億45百万円、純利益が5.3%増の1億75百万円としている。配当予想は18年5月期と同額の年間2円(期末一括)で、予想配当性向は45.9%となる。
事業譲渡の影響で売上高は横ばいだが、クリエーション事業のビジネスサポートサービス、およびソリューション事業(システム開発・運用サービス)が伸長する。利益面では、広告代理サービスや海外事業の事業譲渡で売上総利益率が改善して大幅増益予想である。事業ポートフォリオ再構築で収益改善を期待したい。
■株価は底打ち感
株価は7月の年初来安値204円から急反発した。その後は一旦反落したが、7月安値まで下押すことなく底打ち感を強めている。
8月9日の終値223円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS4円36銭で算出)は約51倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS122円89銭で算出)は約1.8倍、時価総額は約91億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線回復の動きを強めている。底打ちして出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)