【株式評論家の視点】エスエルディーは上場ほやほや、今期の優待取りに妙味
- 2015/3/25 09:37
- 株式評論家の視点
(写真=kawara CAFE&DINING 錦糸町店)
<銘柄の見所>
エスエルディー<3223>(JQS)は、3月19日にジャスダック市場に上場。「To Entertain People ~より多くの人々を楽しませるために~」というビジョンを掲げ、「音楽」、「アート」、「食」等をはじめとする様々なカルチャーコンテンツを企画・融合させ、「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」というミッションの下、様々な事業を展開している。
飲食サービスでは、店舗物件の立地及び空間特性に合わせた様々なブランド(業態)の開発を行い、関東、東北、東海、近畿及び九州地域の主要都市繁華街エリアを中心に、「kawara CAFE&DINING」ブランドをはじめとするカフェダイニング業態を中心に、様々な業態の飲食店舗のほか、「LOOP」ブランドによるライブハウス等を直営にて展開。『音楽』『アート』『食』にフォーカスし、「お客様に常に楽しんで頂くこと」のサービスポリシーを基本に据え、カルチャーコンテンツの充実した店舗づくりを行っている。
コンテンツ企画サービスでは、飲食サービスとは異なるアプローチにより、直営店舗の出店を伴わないイベント企画や店舗プロデュースサービス等を展開している。 このうち『イベント』においては、東京湾内での船上イベント「SLD CRUISE」や東京・大阪近郊での野外音楽イベント「夏びらき」など、時間的または時期的な使用制約のある会場や船舶などの空間において、その最大効率化を図るべく、さまざまなイベント(自社主催及び他社主催)を企画・提供しているほか、『プロデュース』においては、各種商業施設及び小売店舗等からの依頼により、各々の特性・ニーズに応じた事業・空間プロデュース、コンサルティングサービスを提供している。
飲食サービスにおける8店舗の新規出店(kawara CAFE&DINING 錦糸町店、kawara CAFE&KITCHEN 名古屋PARCO店、CAFE&DINER 福岡ソラリアプラザ店、CAFE&DINER なんばパークス店、kawara CAFE&KITCHEN 渋谷駅東急東横店、CAFE&KITCHEN ROCOCO 博多大丸福岡天神店、kawara CAFE&DINING FORWARD 福岡店及びワイン酒場 GabuLicious 仙台店)や、コンテンツ企画サービスにおける商業施設内店舗運営プロデュース案件の受託(福岡PARCO新館6階 「タ マリバ6」)及び1店舗の戦略的退店(かわらや 銀座店)等を実施し、カルチャーコンテンツ提供事業を積極推進している。
今2015年3月期・第3四半期業績は、売上高が33億9900万円、営業利益が1億5400万円、経常利益が1億6100万円、純利益が8900万円に着地。
通期業績予想は、売上高が45億4300万円(前期比16.7%増)、営業利益が1億8300万円(同39.9%増)、経常利益が2億0700万円(同39.1%増)、純利益が1億2800万円(同35.8%増)を見込んでいる。今期は無配見通しだが、株主優待を実施する予定。毎年3月31日を基準日とし、同日現在の株主名簿上において同社株式を1単元(100株)以上保有している株主を対象に同社飲食店舗において利用できる、50%の優待割引クーポン券(割引金額上限5,000円)を発行し、6月下旬に発送を予定している。
株価は、19日に公開価格の1650円を15.3%上回る1903円の初値をつけた後、同日高値1950円と上昇。23日安値1606円と下押したが、公開価格前後でモミ合っている。15年1月末の店舗数は55で、上場時の公募増資によって調達した資金を新規出店に充てる予定。20~30歳代の固定客が多く、女性客が約7割を占めているが、他社との店舗共同開発を積極化やイベントによる集客効果が現れており、増益基調が続くと予想される。また、将来的には海外進出を視野に入れており、中長期的な成長も期待される。26日の権利付き最終日を前に株主優待取りが下値に入っており、目先の売り一巡から反転するか注目されそうだ。(信濃川)