【注目の決算】Jトラストの第1四半期は日本金融事業、韓国金融事業が好調
- 2018/8/16 14:38
- 決算発表記事情報
■「IFRS第9号」適用だが、純利益の進ちょく率は26%、通期予想は増収増益の見通しを継続
Jトラスト<8508>(東2)の2019年3月期・第1四半期の連結業績(18年4~6月、IFRS;国際会計基準)は、日本国内の保証事業や韓国金融事業などが堅調に推移し、売上高に相当する営業収益は前年同期比1.0%増加して178.34億円となった。
この期は、今期から「IFRS第9号」(アイファースナイン、国際財務報告基準第9号「金融商品」)の適用がスタートした。これにより、貸倒引当金の繰入れ増加などを含めた会計処理上の変更等があり、営業利益は同75.9%減の5.93億円となり、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は同16.1%減の14.92億円となった。だが、期初に開示した通期業績見通しに対する進ちょく率は、純利益が約26%。利益項目ごとに進捗率の差はあるにしても、日本、東南アジアの金融事業の特性がやや下期型であることを考慮すると、今後に期待をつなげた形だ。
同社は3月通期の連結業績見通しも据え置き、期初に開示した数値を継続。営業収益は前期比9.3%増の833.78億円、営業利益は同3.0倍の70.73億円、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は黒字に転換して53.18億円、1株利益は51円64銭としている。
日本金融事業では、たとえばアパートローン保証の分野では最寄り駅から徒歩圏の物件やIoT設備物件を重視するなど、選別とリスク回避を進めながら積極的な事業展開を行った。アパートローン保証が増加したことなどにより、債務保証残高の合計は1597.57億円(前年同期比62.1%増)と大幅に拡大した。
韓国・モンゴル金融事業(JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行など)では、上限金利に関する規制の中で、質の高い企業向け貸付や有担保債権の貸付を強化し、安定した純金利収入を維持した。
東南アジア金融事業では、「IFRS第9号」の適用による信用ランク変更などにより、平均貸出金利が低下したが、18年8月30日までに、中古車ローンのマルチファイナンスを主事業とするPT.OLYMPINDO MULTI FINANCE(オリンピンド社)の株式を60%取得する予定で、事業展開の厚みが増す形でローンの積み増しを図る計画だ。
また、カンボジアでは、オーストラリア、ニュージーランド系のANZロイヤルバンク・グループの株式55%を取得予定で準備が進んでおり、2019年5月中のクロージングに向け手続きを進めている。(HC)