【編集長の視点】アイビーシーは反落もV字回復業績と相次ぐ新サービス提供を再評価し売られ過ぎ訂正に再発進

 アイビーシー<3920>(東1)は、前日20日に20円安の1445円と反落して引けた。前日に日経平均株価が、反落するとともに、東証第1部の売買代金が、1兆6766億円と今年2番目の薄商いとなったことから、同社株への買い物が引っ込み下値を探る動きとなった。ただ前日前場寄り付き段階では、1530円まで買われて続伸する場面があり、今2018年9月期の第2四半期(2017年10月~2018年3月期、2Q)累計業績、第3四半期(2017年10月~2018年6月期、3Q)業績が、それぞれV字回復し、システム情報監視ソフトウェア「System Answer G3」のサポートを強化する新サービス提供や、保険ポートフォリオ管理アプリ「iChain保険ウォレット」のバージョンアップ版の無料配信開始などが相次いでいることを再評価し、売られ過ぎ訂正買いに根強いものがあることを示唆した。テクニカル的にも、今年5月安値1235円から7月9日に上場来高値2822円まで買い進まれわずか2カ月で2.2倍の大化けを演じており、再現期待を高めている。

■「System Answer G3」の新規大型案件と「G2」からの切り替え案件が増加

 同社の今2018年9月期業績は、2Q累計業績が、期初予想を上回って前年同期比91.6%営業増益、2.4倍経常増益、2.5倍純利増益とV字回復したあと、3Q決算も、売り上げが前年同期比14.3%増と連続の2ケタ増収となり、営業利益が6.1倍と増益転換し、経常利益は1億1000万円(前年同期は収支トントン)、純利益は7400万円(同100万円の赤字)で着地した。主力のライセンス販売は、新製品「System Answer G3」の新規大型案件とSystem Answer G2」からの切り替え案件が増加して前年同期比22%増と続伸し、サービスの提供は、ライセンス販売の受注数増加に伴って発生した構築・運用サポート需要に対応して堅調に推移、成長に向け積極的に人材採用を進め、採用教育費が、同7倍以上に負担増となったことなどをカバーした。
 今2018年9月期業績は、期初予想通りに売り上げが14億円(前期比15.1%増)と11期連続の過去最高となるとともに、営業利益が2億1600万円(同15.8%増)、経常利益が2億1600万円(同27.8%増)、純利益が1億2900万円(同12.8%増)と2期ぶりの増益転換が見込まれている。今年6月に提供を開始したクラウド型のログ管理サービス「LOG on SAMS」や、同じく8月から提供を開始した24時間365日対応のシステム情報監視ソフトウェアのサポートを強化した「System Answer G3」、さらに8月13日から加入している保険を一括で管理できる「iChain保険ウォレット」で緊急連絡時のホットラインを登録するなどの新機能を追加するバージョンアップ版の無料配信を開始するなど新サービスが相次ぐことも、引き続き寄与する。

■25日線から24%超もマイナスかい離し「リターン・リバーサル」買いチャンス

 株価は、今年5月の1235円安値を起点に今期2Q業績の上ぶれ着地、「LOG on SAMS」の提供開始、IoTセキュリティ基盤サービスの利用技術2件の特許取得などの好材料が続いて7月に年初来高値2822円まで2.2倍の大化けを演じ、米中貿易摩擦激化、トルコショックなどによる全般相場波乱の影響を受けて1400幅の調整をした。25日移動平均線からは24%超もマイナスかい離しており、今年5月以降の急騰再現期待を高め、大きく下げた株ほど大きく戻すとする「リターン・リバーサル」買いで売られ過ぎ訂正へ再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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