マーケットエンタープライズは下値切り上げ、19年6月期大幅増収増益予想

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略も推進している。18年6月期は黒字化した。そして19年6月期は大幅増収増益予想である。収益改善を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■インターネットに特化してリユース品買取・販売事業を展開

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築している。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンターで在庫を一括管理する。そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど、複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。
■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進

 中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。

 水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進している。リユースセンターは17年9月西東京、18年1月札幌を開設して合計10ヶ所となった。

 垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入した。

 新サービスによる事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立、17年3月宅配レンタルサービスを開始、18年1月民泊物件サイト運営のスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結した。

■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

■18年6月期黒字化、19年6月期大幅増収増益予想

 18年6月期の連結業績は、売上高が17年6月期比12.5%増の63億33百万円で、営業利益が96百万円の黒字(17年6月期は7百万円の赤字)、経常利益が94百万円の黒字(同4百万円の黒字)、純利益が31百万円の黒字(同19百万円の赤字)だった。

 売上高は計画を下回った。在庫戦略の見直しで、高価格帯・長期滞留商品の在庫圧縮などが影響した。ただし各利益は計画を上回った。営業利益率の高い農機具カテゴリー、通信カテゴリーの売上が想定を上回り、全体の販管費比率が低下した。

 19年6月期の連結業績予想は売上高が18年6月期比21.6%増の77億円、営業利益が65.8%増の1億60百万円、経常利益が70.5%増の1億62百万円、純利益が2.5倍の80百万円としている。

 18年6月期に開設したリユースセンター(西東京、札幌)の通期稼働に伴う仕入高の向上、新規カテゴリーの農機具領域や通信領域の通期寄与などで大幅増収増益予想としている。収益改善を期待したい。

■株価は徐々に下値切り上げ

 株価は8月14日に戻り高値となる951円まで上伸する場面があったが、買いが続かず反落した。ただし週足チャート見ると26週移動平均線を突破して徐々に下値を切り上げている。

 8月21日の終値は819円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円69銭で算出)は約52倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS185円47銭で算出)は約4.4倍、時価総額は約42億円である。戻りを試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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