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ソレイジア・ファーマは底打ち感、がん領域の創薬ベンチャーで18年~19年以降の上市本格化期待
- 2018/8/22 07:57
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーで、候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。18年~19年の上市本格化を期待したい。株価は底打ち感を強めている。
■がん領域中心の創薬ベンチャー、開発権導入による臨床開発が主力
がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーである。候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。
日本および中国を中心とするアジア諸国において、世界の医薬品企業やバイオテクノロジー企業から有望な製品候補を導入し、国際共同治験を含む積極的な開発戦略によって迅速な承認取得を目指している。
抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐を適応症とするグラニセトロン経皮吸収型製剤SP-01は、中国で14年6月承認申請し、18年7月承認取得した。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を適応症とする抗がん剤SP-02は、日本・韓国・台湾・香港で第2相臨床試験(最終試験)実施中、18年末完了予定である。中国では第2相臨床試験(最終試験)準備中である。また8月17日にはコロンビアのHB社と、南米地域での販売等の独占的権利に関するライセンス契約(権利導出契約)を締結した。日本地域でのMeiji Seika ファルマとの独占的開発販売契約に続き、収益化を目的とする2つ目の契約となる。
がん化学療法および放射線療法による口内炎に伴う疼痛緩和口腔用液材SP-03(スウェーデンのCamurus社が09年欧州で上市)は、日本で17年7月承認取得し、18年5月国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマがエピシル口腔用液として販売開始した。中国では16年5月承認申請完了し、18年承認・19年上期までに販売開始予定である。また8月17日にはスウェーデンのCamurus社と、韓国での独占開発販売権利を導入する契約を締結した。
がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応症とするSP-04(17年11月スウェーデンのPled社と日本・中国・韓国・台湾・香港・マカオでの開発事業化独占的権利導入契約を締結、Pled社商標PledOx)は、Pled社が米国で実施した日本人第1臨床試験が18年2月完了した。18年6月には18年度下期に第3相臨床試験を開始すると発表した。Pled社が実施する欧米地域に、当社権利地域(日本、韓国、台湾、香港)を参加せしめる国際共同臨床試験の形態により、Pled社主導のもとで実施する。
なお中国での商流構築に関しては、17年9月に伊藤忠商事<8001>と中国販売にかかる代理店契約を締結している。対象製品はSP-01およびSP-03の中国販売用製品で、18年から販売体制を整備する。
■18年~19以降の上市本格化期待
18年12月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が1億円~6億円、営業利益と純利益が30億円の赤字~32億円の赤字としている。売上収益にはSP-01の中国承認時マイルストン収入と製品販売、およびSP-03日本製品販売と中国承認時マイルストン収入を計画している。なお18年12月期第1四半期に、継続企業の前提に関する重要事象等の記載を解消した。
第2四半期累計は売上収益が84百万円、営業利益が9億23百万円の赤字、純利益が9億16百万円の赤字だった。開発投資が先行しているが、疼痛緩和口腔用液材SP-03が、18年5月に国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマからエピシル口腔用液として販売開始された。
当面は赤字予想だが、18年~19年の上市本格化、および19年以降の収益化を期待したい。
■株価は底打ち感
株価は8月13日に221円まで下押したが、SP-02導出契約締結を好感して8月17日に304円まで急伸する場面があり、17年3月の上場来安値219円を割り込むことなく反発した。8月21日の終値は256円、時価総額は約226億円である。週足チャートで見ると安値圏の下ヒゲで底打ち感を強めている。反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)