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レカムは調整一巡感、18年9月期3Q累計大幅増益で通期も大幅増益予想
- 2018/8/23 08:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
レカム<3323>(JQ)は情報通信事業を主力として、BPO事業、海外法人事業も展開している。18年9月期第3四半期累計は大幅増益だった。通期もM&A効果や海外法人事業拡大などで大幅増益予想である。株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■情報通信機器やLED照明を販売する情報通信事業が主力
中小企業向けに情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する情報通信事業を主力として、業務プロセスを受託するBPO事業、海外で情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する海外法人事業も展開している。情報通信事業は直営店、FC加盟店、グループ関連会社、および代理店で展開している。17年9月期の事業別売上高構成比は情報通信事業84%、BPO事業7%、海外法人事業10%である。
17年12月に光通信<9435>とLED照明・業務用エアコン販売で資本業務提携、18年1月光通信の子会社アイ・イーグループ・エコの株式51%を取得して子会社化(レカムIEパートナーに社名変更、18年9月期中にレカムIEパートナーとレカムエナジーパートナーを合併予定)した。18年4月情報通信機器・光回線販売のR・S、およびOAソリューション事業・NTT回線事業のG・Sコミュニケーションズを子会社化した。
海外法人事業では18年7月、中国の子会社レカムビジネスソリューションズ(大連)が、中国の新興企業向け市場「新三板」に新規上場承認された。また8月1日にはミャンマーでの子会社設立と営業開始、そして8月7日にはインドへの進出(18年10月営業開始予定)を発表した。中国(上海、大連、広州)、ベトナム、マレーシアに続く展開となる。
さらに8月20日には、多言語対応コールセンターを展開するマスターピース・グループ(MPG社)と業務提携し、子会社レカムビジネスソリューションズ(大連)がMPG社の中国における孫会社MP大連社を子会社化(18年10月中旬見込み)すると発表した。BPO業務を拡大する。
■18年9月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想
18年9月期の連結業績予想(2月14日に増額修正)は売上高が17年9月期比49.8%増の77億円、営業利益が2.4倍の7億円、経常利益が2.6倍の6億70百万円、純利益が2.4倍の3億40百万円としている。レカムIEパートナーやR・Sの新規連結、海外法人事業の拡大などで大幅増収増益予想である。配当予想は50銭増配の年間1円50銭(期末一括)で、予想配当性向は26.5%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比35.0%増の49億64百万円、営業利益が94.0%増の2億69百万円、経常利益が92.3%増の2億56百万円、純利益が44.1%増の1億27百万円だった。
主力の情報通信事業がUTM卸販売の好調やR・Sの新規連結などで8.3%増収と堅調に推移した。また環境関連事業がM&A効果で約9.1倍増収、海外法人事業が17年8月営業開始したベトナムも寄与して約2.3倍増収と大幅伸長した。BPO事業も2.7%増収と堅調だった。
通期のセグメント別計画は、情報通信事業の売上高が11.6%増の46億30百万円で営業利益が39.2%増の1億75百万円、環境関連事業(情報通信事業からLED照明などを分離)の売上高が8.8倍の13億70百万円で営業利益が5.5倍の1億65百万円、BPO事業の売上高が46.6%増の6億80百万円で営業利益が85.2%増の1億円、海外法人事業の売上高が2.4倍の11億60百万円で営業利益が3.2倍の2億60百万円としている。利益面では海外法人事業の構成比が最も高くなる見込みだ。
第3四半期累計の進捗率は売上高が64.5%、営業利益38.4%と低水準の形だが、期中のM&A効果を考慮すれば通期ベースでも好業績が期待される。
■中長期成長戦略でグローバル専門商社構想
中期経営計画では、目標値に19年9月期売上高100億円、営業利益10億円を掲げている。4事業(情報通信事業、環境関連事業、BPO事業、海外法人事業)の規模拡大に向けたM&A戦略も推進する。さらに中長期の成長戦略として、IT&エコソリューションを提供するグローバル専門商社構想を掲げている。
■株価は調整一巡感
18年4月第三者割当(マッコーリー・バンク・リミテッド)による新株式発行、第18回修正条項付新株予約権(9万個=900万株)発行で資金調達した。18年7月末時点の未行使新株予約権個数は8万8240個である。
株価は6月の戻り高値327円から反落して水準を切り下げたが、240円近辺で調整一巡感を強めている。8月22日の終値は243円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS5円65銭で算出)は約43倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円50銭で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS27円26銭で算出)は約8.9倍、時価総額は約163億円である。戻りを試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)