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夢真ホールディングスは調整一巡感、18年9月期大幅増収増益予想で19年9月期も収益拡大期待
- 2018/8/27 06:58
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は、建設技術者派遣事業や製造・IT業界向けエンジニア派遣事業などを展開している。18年9月期大幅増収増益予想である。そして上振れ余地があるだろう。需要が高水準に推移して19年9月期も収益拡大が期待される。株価は調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■建設技術者派遣事業やエンジニア派遣事業を展開
建設技術者派遣事業を主力として、連結子会社夢テクノロジー<2458>の製造・IT業界向けエンジニア派遣事業や、その他事業(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成など)も展開している。グループ合計の稼働技術者数は17年12月に6000人を突破した。
中期経営計画(18年9月期~20年9月期)では、20年9月期の売上高600億円、営業利益79億円、純利益50億円を目標に掲げている。セグメント別には、建設技術者派遣の売上高380億円、営業利益60億円、期末技術者数6200人、エンジニア派遣の売上高205億円、営業利益17億円、期末技術者数4600人、その他事業の売上高15億円、営業利益2億円としている。
なお株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上で維持する。ROEは30%以上を目指す。さらに東証1部への市場変更を目指すとしている。
経営リソースを成長セグメントに集中し、管理機能や人的資源の有効活用を図るためグループ再編も進めている。17年12月には連結子会社Keepdataの株式を譲渡した。一方で夢真テクノロジーがエンジニア派遣事業のクルンテープを子会社化、18年8月夢テクノロジーが夢エデュケーションを吸収合併した。18年10月(予定)には子会社の夢ソリューションズを吸収合併、フィリピンのP4U社を子会社化する。
■18年9月期大幅増収増益予想で上振れの可能性
18年9月期連結業績予想は売上高が17年9月期比27.8%増の390億円、営業利益が90.5%増の45億円、経常利益が85.7%増の45億円、純利益が2.0倍の29億円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間35円(第2四半期末15円、期末20円)で、予想配当性向は90.0%である。
第3四半期累計は売上高が前年同期比34.1%増の296億62百万円、営業利益が2.2倍の38億98百万円、経常利益が96.8%増の36億39百万円、純利益が2.5倍の27億15百万円だった。売上総利益率は30.7%で1.9ポイント上昇、販管費比率は17.6%で3.2ポイント低下した。営業外費用には持分法投資損失2億75百万円、特別利益には関係会社株式売却益4億40百万円を計上した。
建設技術者派遣、エンジニア派遣とも需要が高水準に推移し、稼働人数の増加、稼働率の上昇、派遣単価の上昇、採用費を中心とするコストコントロール効果、不採算事業撤退・縮小効果などで大幅増収増益だった。18年6月末の技術者数は建設技術者派遣が24.7%増の4978人、エンジニア派遣が38.4%増の2158人となった。
セグメント別に見ると、建設技術者派遣は売上高が33.0%増の218億61百万円で営業利益が77.6%増の37億55百万円だった。エンジニア派遣は売上高が40.8%増の75億07百万円で営業利益が2.4倍の4億15百万円だった。その他事業は経営リソースの集中で売上高が19.7%減の3億51百万円だが、営業利益は2億06百万円の赤字(前年同期は4億13百万円の赤字)で赤字が大幅縮小した。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.1%、営業利益が86.6%、経常利益が80.9%、純利益が93.6%と順調である。
建設技術者派遣の月次速報によると、18年7月も売上高が31%増収、営業利益が67%増益と好調に推移している。また技術者採用は通期計画2500人に対して17年10月~18年7月累計2333人と順調である。
連結子会社夢テクノロジーが19年9月期に向けた採用費積み増しで通期利益予想を下方修正(8月10日)したが、建設技術者派遣、エンジニア派遣とも需要が高水準に推移している。通期予想は上振れ余地があるだろう。そして19年9月期も収益拡大が期待される。
■株主優待制度は9月末の株主対象、18年9月末から導入
株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、18年9月末から導入する。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換する。ポイントは次年度に繰り越すことができ、最大2年間有効である。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は1100円台でモミ合う展開だ。ただし大きく下押すことなく調整一巡感を強めている。8月24日の終値は1140円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円89銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS160円67銭で算出)は約7.1倍、時価総額は約850億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)