平山ホールディングスは戻り高値圏、19年6月期大幅増収増益予想

 平山ホールディングス<7781>(JQ)は「設備と敷地を持たない製造業」を標榜し、インソーシング(製造請負)・派遣事業を主力としている。新規取引先開拓やM&A戦略で業容を拡大している。18年6月期は大幅増収増益だった。そして19年6月期も大幅増収増益予想である。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■インソーシング(製造請負)・派遣事業が主力

 「設備と敷地を持たない製造業」を標榜し、インソーシング(製造請負)・派遣事業を主力として、技術者派遣事業、海外事業、その他(現場改善コンサルティング、海外スタディツー)も展開している。18年6月期の売上構成比はインソーシング・派遣事業77%、技術者派遣事業8%、海外事業13%、その他事業2%である。

 当社に所属する現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、顧客企業の製造現場における生産性向上、コスト削減・ものづくり力強化に繋げている。多種多様な業種・工程での実績を持ち、業界を超えた製造技術・ノウハウを蓄積していることも特徴だ。
 主要取引先はテルモグループ、LIXILグループ、TOPPANグループ、TOTOグループ、トヨタグループ、リコーグループ、三菱グループなどである。大手優良企業グループと強固な取引関係を構築し、新規顧客開拓も推進している。海外はベトナムとタイにおいて、日本国内のエンジニア不足に対応した外国人技術者の採用、東南アジア諸国の日系企業との取引拡大を推進している。

 さらにM&Aによる業容拡大、グループ再編による競争力強化や管理コスト削減を推進している。17年12月日立システムズと協業して現場改善支援サービスの販売開始、18年1月Edgecrossコンソーシアムに入会、18年2月外国人技術者の育成でミャンマー・マンダレー工科大学と提携、18年5月中国の健峰と合弁会社設立、18年7月FUNtoFUNおよびその持株会社NCI1を子会社化(18年10月1日付でNCI1がFUNtoFUNを吸収合併してFUNtoFUNに商号変更予定)した。

 8月8日にはJIG-SAWと製造業向けサービス分野で協業して、両社で中堅中小企業向け現場改善支援サービスを提供開始すると発表した。20年度末までに国内2000ヶ所以上への導入を目指す。

■長期的目標は売上高営業利益率8%

 経営目標としては20年6月期売上高200億円を掲げている。売上高営業利益率は中期的に5%、長期的に8%を目指す方針だ。既存取引先の事業所拡大・安定化、既存製造派遣取引先のインソーシング(製造請負)化、インソーシング案件の新規取引先開拓、海外展開の加速などを推進する。利益配分については配当性向25%を基本としている。

■18年6月期大幅増収増益、19年6月期も大幅増収増益予想

 18年6月期の連結業績は、売上高が17年6月期比16.8%増の135億93百万円、営業利益が5.4倍の2億14百万円、経常利益が2.4倍の2億14百万円、純利益が2.4倍の3億48百万円だった。5月15日の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。配当も期末10円増額して年間50円(期末一括)とした。17年6月期との比較では30円増配となる。配当性向は24.7%となる。

 インソーシング・派遣事業が15.5%増収、技術者派遣事業が18.5%増収、海外事業が22.2%増収、その他事業が23.8%増収と、いずれも好調に推移した。主力のインソーシング・派遣事業では、輸送用機器関連、住設関連、食品関連分野の需要が高水準に推移し、電子部品関連や自動車関連の大手企業を中心とする新規顧客開拓が進展した。増収効果に加えて、主力取引先の取引単価改定も利益率改善に寄与した。なお特別利益に消費税等簡易課税差額収入3億65百万円を計上(17年6月期は1億12百万円計上)した。

 19年6月期の連結業績予想は、売上高が18年6月期比47.1%増の200億円、営業利益が39.9%増の3億円、経常利益が39.7%増の3億円、純利益が14.9%増の4億円としている。5月15日の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。配当予想は8円増配の年間58円(期末一括)で、予想配当性向は25.4%となる。

 大手電子部品メーカー、大手自動車部品メーカー等からの新規受注に加えて、M&A効果(大手コンビニ関連の食品製造派遣、大手流通業の都市型ミニスーパーの店舗運営請負を展開するFUNtoFUNを新規連結)も寄与して大幅増収予想である。売上高は20年6月期目標値200億円を前倒しで達成する見込みだ。コスト面ではM&Aに伴うのれん償却が発生するが、増収効果で吸収して大幅増益予想である。特別利益には消費税等簡易課税差額収入3億90百万円を計上する予定だ。好業績を期待したい。

■株価は戻り高値圏

 株価は19年6月期大幅増収増益予想を好感して戻り高値圏だ。8月24日の終値は3260円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS228円46銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1440円97銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約58億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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