ハウスドゥは戻り歩調、19年6月期も大幅増収増益・増配予想

 ハウスドゥ<3457>(東1)は、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック企業である。積極的な事業展開で19年6月期も大幅増収増益・増配予想である。株価は調整一巡して戻り歩調だ。上値を試す展開が期待される。なおJPX日経中小型株指数の2018年度構成銘柄に選定された。

■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業

 市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す不動産テック企業(不動産×IT)である。

 不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。

 18年2月には、タイムシェアリング事業「タイムルームクラウド」を開始、京葉ビルドを子会社化した。18年3月には、ハウス・リースバックで取得した個人住宅など収益不動産物件を対象に不動産特定共同事業法スキームによる匿名組合方式の不動産ファンド「HLBファンド1号」を組成、賃貸不動産仲介事業の新ブランド「RENT Do!(レントドゥ!)」1号店の渋谷恵比寿店をオープンした。18年4月にはパーク24<4666>の子会社であるタイムズ24社と業務提携した。

■ストック収益型事業へシフト

 市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を提供しながら、収益構造も、人員の増員が必要な労働集約型事業(不動産流通事業、リフォーム事業、不動産売買事業)から、ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入などが積み上がるストック収益型事業(フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、および不動産担保ローン事業やリバースモーゲージ保証事業などの不動産金融事業)に重点シフトしている。

 18年6月期の収益構造は、売上高構成比では労働集約型62%、ストック収益型38%だが、営業利益構成比は労働集約型40%、ストック収益型60%だった。ストック収益型事業が収益柱に成長している。

 18年6月末時点の全国「ハウスドゥ」FC加盟契約数は17年6月末比75店舗増加の543店舗だった。FC加盟店舗数の中期的な目標は国内1000店舗、アジア5万店舗としている。

 18年6月末時点のハウス・リースバック保有物件数は559件、保有総額は80億04百万円だった。首都圏・中部・近畿の3大都市圏で約9割を占めている。なお18年7月にはハウス・リースバックの累計契約件数が1000件を突破したと発表している。

 18年6月期の不動産金融事業の担保融資とリバースモーゲージ保証の合計件数は17年6月期比2.1倍の264件、担保融資残高は23.2%増加の55億87百万円だった。

■18年6月期大幅増収増益・増配、19年6月期も大幅増収増益・増配予想

 18年6月期連結業績は、売上高が17年6月期比33.7%増の225億17百万円、営業利益が69.4%増の21億16百万円、経常利益が73.0%増の19億08百万円、純利益が73.4%増の12億79百万円だった。売上高、利益とも過去最高を更新し、19年6月期を最終年度とする中期経営計画の目標値を前倒しで達成した。配当は25円増配の年間45円(期末一括)とした。配当性向は30.0%である。配当性向の目標は30%以上としている。

 ストック収益型のフランチャイズ事業は加盟店舗数が着実に増加して12.4%増収・13.5%増益、ハウス・リースバック事業は新規件数拡大や不動産ファンド等への売却によるキャピタルゲインで2.0倍増収・2.3倍増益、不動産金融事業はリバースモーゲージ保証事業が進展して2.4倍増収・95.8%増益と大幅伸長した。労働集約型も不動産売買事業が25.3%増収・95.9%増益、不動産流通事業が11.6%増収・28.0%増益、リフォーム事業が5.0%増収・36.4%増益と好調だった。

 19年6月期の連結業績予想は、売上高が18年6月期比22.1%増の274億99百万円、営業利益が53.4%増の32億46百万円、経常利益が57.2%増の30億円、純利益が55.0%増の19億83百万円としている。

 ストック収益型事業が伸長して大幅増収増益予想である。セグメント別の計画は、フランチャイズ事業が17.9%増収・18.8%増益、ハウス・リースバック事業が71.1%増収・84.0%増益、不動産金融事業が89.0%増収・2.7倍増益で、不動産売買事業、不動産流通事業、リフォーム事業は横ばいとしている。

 配当予想は年間31円(期末一括)としている。18年7月1日付株式2分割を考慮して18年6月期を年間22円50銭に換算すると8円50銭増配となる。予想配当性向は30.3%である。

■株主優待制度は毎年6月末の株主対象

 株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は株主優待ポイント表に基づいて進呈されるポイントを、株主限定特設インターネット・サイト「ハウスドゥプレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品などと交換できる。

■株価は戻り歩調

 株価(18年7月1日付で株式2分割)は5月の上場来高値3175円から反落して水準を切り下げる展開だったが、8月16日の直近安値1987円から切り返し、8月27日には2695円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。

 8月27日の終値は2626円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS102円32銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間31円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS498円52銭で算出)は約5.3倍、時価総額は約509億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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