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エイジアは調整一巡して出直り期待、19年3月期2桁増収増益・増配予想
- 2018/9/7 07:41
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。中期成長に向けてAI(人工知能)を活用した新サービスを強化している。19年3月期2桁増収増益・増配予想である。株価は年初来安値圏だが調整一巡して出直りを期待したい。なお9月14日付で自己株式7万株を消却する。
■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力
自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、システム受託開発なども展開している。18年3月期セグメント別売上高構成比はアプリケーション事業81%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%である。
メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。
WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心として、メール共有システム「WEBCAS mailcenter」などをラインナップに抱えるe-CRMアプリケーションシリーズである。17年9月にはWEBCASシリーズ導入企業が4000社を突破している。
新製品・サービスとして、マーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」や、人工知能アルゴリズムを駆使した感性分析型テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」も発売している。
18年1月マレーシアのData Cohorts社とマレーシア個人情報保護法に対応した金融機関および政府機関向け新メール配信事業における戦略的パートナーシップ協定を締結、18年3月パーソナル人工知能「SENSY」を開発する慶応大学発AIベンチャーのSENSY社と業務提携、18年5月モバイルソリューション製品開発・販売のAOSモバイルと業務提携、18年7月乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所と業務提携した。
8月16日には、WEBCASシリーズ機能強化およびコンサルティングノウハウ獲得を目的として子会社を設立し、ハモンズからベビー服ECサイト運営事業を譲り受ける(9月10日予定)と発表した。
■20年3月期営業利益5億02百万円目標
中期経営計画ではビジョンに「クロスチャネル対応マーケティングプラットフォーム構築」を掲げ、人工知能を活用したマーケティング革新に取り組んでいる。目標値には20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。
収益面ではシステム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。利益配分については、意識する配当性向を17年3月期から30%前後に引き上げている。
■19年3月期2桁増収増益・増配予想
19年3月期の連結業績予想は売上高が18年3月期比11.6%増の17億円、営業利益が20.6%増の4億20百万円、経常利益が16.0%増の4億20百万円、純利益が16.4%増の2億75百万円としている。配当予想は2円増配の年間20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は29.6%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比4.7%増の3億73百万円だったが、営業利益が8.6%減の62百万円、経常利益が11.9%減の62百万円だった。純利益は3.5%増の40百万円だった。コンサルティング事業の伸長が牽引して増収だったが、子会社FUCAにおける人員増強に伴う人件費の増加などで営業・経常減益だった。
通期ベースではクラウドサービスの大幅伸長を見込み、2桁増収増益予想である。製品開発ではマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」のバージョンアップを推進する。好業績を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は、毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は年初来安値圏だが、8月16日の1241円から切り返しの動きを強めている。9月6日の終値は1329円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS67円47銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS366円08銭で算出)は約3.6倍、時価総額は約61億円である。調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)