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パシフィックネットは急伸して戻り高値圏、19年5月期大幅増益予想
- 2018/9/13 07:37
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
パシフィックネット<3021>(東2)は、法人向けにIT機器の調達・導入、ネットワーク構築、運用・保守、データ消去、引取回収をワンストップで提供するLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化し、フロー型からストック型への収益構造転換を推進している。19年5月期大幅増益予想である。株価は急伸して戻り高値圏だ。2020年のWindows7サポート終了による需要増も材料視したようだ。上値を試す展開を期待したい。
■IT機器のLCMサービスを強化
法人向けにPC・タブレット・モバイル等のIT機器の調達・導入、キッティング(事前設定)、ネットワーク構築、運用・保守、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去・消去証明書発行、リユース・リサイクルを行うLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化している。
店舗部門を縮小し、法人向けLCMサービスの強化によって、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去、再生、リユース販売中心の「フロー型」から、新品IT機器の長期レンタル型の調達・導入、キッティング、運用・保守を中心とした「ストック型」への収益構造転換を推進している。
15年10月2B(トゥー ビー)を設立してBtoB専門総合通信サービス事業に進出、17年6月M&Aアドバイザリ・仲介サービス事業を行う子会社エムエーピー(MAP)を設立、17年12月音声ガイド用無線レシーバー「イヤホンガイド」レンタル・販売のケンネットを子会社化、18年7月子会社エムエーピーが有料職業紹介事業(人材紹介事業)を開始した。
18年8月にはNTTデータ<9613>の一次代理店としてRPAソリューションの導入・運用支援サービスを開始した。また18年9月1日付で子会社の2Bを吸収合併した。ストック中心の収益構造への変革をスピードアップさせる。
■19年5月期大幅増益予想
19年5月期連結業績予想は、売上高が18年5月期比1.5%増の45億円、営業利益が30.3%増の3億10百万円、経常利益が26.0%増の3億円、純利益が26.5%増の2億円としている。配当予想は1円増配の年間21円(期末一括)としている。予想配当性向は54.3%である。
売上面では店舗事業から撤退した影響で全体として小幅増収にとどまるが、利益面ではLCM事業の拡大、連結子会社の増収、収益管理の強化、構造改革による販管費の抑制、戦略的投資の効果などで大幅増益予想としている。なおサービス補完やリソース確保を目的としたM&A費用を見込んでいる。好業績を期待したい。
■中期経営計画で21年5月期経常利益5億円目標
18年7月策定の中期経営計画「SHIFT2021」では、基本方針をストック中心へのさらなる収益構造改革、LCMサービス事業の飛躍的拡大、M&Aによる成長のスピードアップ、東証1部へのステップアップとして、目標値には21年5月期売上高55億円、経常利益5億円、純利益3億30百万円、ROE12%以上を掲げた。
■株価は急伸して戻り高値圏
株価は急伸して戻り高値圏だ。2020年のWindows7サポート終了による需要増も材料視したようだ。
9月12日の終値は1148円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円65銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS364円94銭で算出)は約3.1倍、時価総額は約59億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じて先高観を強めている。上値を試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)