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マルマエは調整一巡感、受注高水準で18年8月期大幅増収増益予想、19年8月期も収益拡大期待
- 2018/9/18 07:46
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
マルマエ<6264>(東2)は、半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。18年8月期大幅増収増益予想である。8月の受注残高も前年比16.2%増と高水準だった。19年8月期も収益拡大が期待される。株価は年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。反発を期待したい。なお10月10日に18年8月期決算発表を予定している。
■真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開
半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。
半導体分野の需要拡大に対応するため、パイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、出水事業所として18年4月操業開始した。新たに電子ビーム溶接関連の生産も開始した。
また中期成長に向けて、作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)を推進している。18年7月には第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。
■受注高水準で18年8月期大幅増収増益予想、19年8月期も収益拡大期待
18年8月期非連結業績予想(5月12日に増額修正)は、売上高が17年8月期比48.9%増の45億20百万円、営業利益が64.7%増の12億60百万円、経常利益が68.2%増の12億40百万円、純利益が61.5%増の8億70百万円としている。受注が高水準に推移し、労務費や減価償却費の増加、出水事業所取得に伴う登録免許税の発生などを吸収して、大幅増益予想である。配当予想は10円増配(17年3月1日付株式2分割換算後)の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は27.4%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比62.1%増収で、営業利益が96.0%増益、経常利益が99.2%増益、純利益が2.0倍増益だった。そして通期予想に対する進捗率も売上高74.0%、営業利益75.0%と順調だった。
なお月次の受注残高(速報値)を見ると、18年8月は半導体分野が6億75百万円(前月比8.9%減、前年同月比22.4%増)、FPD分野が2億39百万円(前月比25.5%減、前年同月比10.7%減)、その他分野が37百万円、合計が9億53百万円(前月比11.0%減、前年同月比16.2%増)だった。
半導体分野は生産能力増強の進展も寄与して受注が拡大基調である。FPD分野の受注も計画を上回る水準で推移している。19年8月期も収益拡大が期待される。
なお18年8月期を最終年度とする中期計画の進捗について、売上高(目標40億円)と営業利益(目標10億円)は達成するが、配当性向(目標35%)は設備投資に注力するため未達となる。また期間中の東証1部への市場変更は、社内体制強化の遅れで達成困難となったが、引き続き最短での1部指定を目指すとしている。
■株主優待制度は毎年8月末時点で6ヶ月以上保有株主対象
株主優待制度は、毎年8月末日現在、6ヶ月以上継続して1単元(100株)以上(17年3月1日付株式2分割後)保有株主を対象として、クオカード1000円分を贈呈する。
■株価は調整一巡感
株価(18年1月1日付で東証マザーズから東証2部に市場変更)は年初来安値圏だが、1000円近辺で調整一巡感を強めている。反発を期待したい。
9月14日の終値は1079円、前期推定PER(会社予想EPS73円04銭で算出)は約15倍、前期推定配当利回り(会社予想年間20円で算出)は約1.9%、前々期実績PBR(前々期実績BPS263円36銭で算出)は約4.1倍、時価総額は約141億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)