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松田産業は売り一巡感、19年3月期横ばい予想だが保守的
- 2018/9/20 08:23
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
松田産業<7456>(東1)は、貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。19年3月期横ばい予想だが保守的だろう。配当は増配予想である。株価は年初来安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開
貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。18年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%、営業利益構成比は貴金属関連事業70%、食品関連事業30%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。
貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。
産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。
中期経営計画(16~18年度)の目標値は、19年3月期売上高2000億円、営業利益40億円としている。
■19年3月期横ばい予想だが保守的
19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.2%増の2000億円、営業利益が2.5%増の50億円、経常利益が1.1%増の52億円、純利益が1.2%増の35億円としている。中期計画の目標値(売上高2000億円、営業利益40億円)を達成する見込みだ。配当予想は2円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は22.6%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比15.8%増の529億41百万円、営業利益が19.8%増の12億65百万円、経常利益が18.6%増の13億71百万円、純利益が18.0%増の8億98百万円だった。貴金属関連事業が取扱量増加や貴金属販売価格上昇で18.7%増収・37.9%増益と牽引した。食品関連事業は販売量増加で10.8%増収だが、5.3%減益だった。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.5%、営業利益25.3%と順調である。景気動向に不透明感が強いとして通期横ばい予想だが、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産が高水準であり、やや保守的だろう。
■株主優待制度は毎年3月末の継続1年以上保有株主が対象
株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。
■株価は売り一巡して出直り期待
株価は9月14日に年初来安値1488円まで下押す場面があったが、9月19日には1565円まで上伸して売り一巡感を強めている。
9月19日の終値は1562円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS132円91銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2149円11銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約452億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。売り一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)