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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】協立情報通信は目先的な売り一巡、16年2月期も好業績期待で切り返し
- 2015/3/27 07:21
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信<3670>(JQS)の株価は、2月高値2350円から利益確定売りや2月期末の配当権利落ちなどで2000円割れ水準まで調整した。ただし足元では下げ渋り感を強めている。目先的な売りが一巡したようだ。16年2月期も好業績が期待され、中期成長力を評価して切り返し展開だろう。
法人向けソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開している。
企業のICT(情報通信技術)化の実現に向けて、NEC<6701>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、NTTドコモ<9437>、サイボウズ<4776>、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システム構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供している。
ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECの構内交換機(PBX)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向けを中心に情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用支援(プラクティカルユース)の3分野を統合した経営情報ソリューションを、ワンストップサービスで提供していることが強みだ。また常設デモスペースの体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。
モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。
前期(15年2月期)の業績(非連結)見通し(1月28日に増額修正)は売上高が前々期比8.2%増の57億75百万円、営業利益が同19.6%増の2億56百万円、経常利益が同19.1%増の2億56百万円、そして純利益が同53.1%増の1億96百万円で、配当予想(1月13日に増額修正)は創業50周年記念配当5円を含めて、前期比5円増配の年間55円(期末一括)としている。
入居先ビル建て替えによるドコモショップ八丁堀店および情報創造コミュニティーの移転に伴う影響(営業損失として固定資産償却費用38百万円、特別利益として移転補償金1億22百万円程度、特別損失として移転費用など57百万円)を織り込んだ。
今期(16年2月期)についても収益拡大が期待される。パートナーとの共創展開(共同営業やセミナー・イベントの共同開催)の効果で情報創造コミュニティーへの来場社数は増加基調であり、既存顧客深耕や新規顧客獲得が進展する。15年夏予定の「Windows Server 2003」サポート終了に伴う移行案件なども寄与する見込みだ。
企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティ」をキーワードとして高水準に推移することが予想されるため、法人向けソリューション提案力向上によって付加価値提供へのシフトを加速する。またモバイル事業では、顧客囲い込みに向けたドコモマイショップへの加入促進などを強化する方針であり、モバイル事業の営業損益も改善基調が期待される。
ストック型収益モデルを強化して利益率を一段と向上させる方針であり、中期経営計画では目標値として17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調で一段の高収益化も期待される。
株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、そして1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈する。
株価の動きを見ると、2月高値2350円から利益確定売りで反落し、さらに2月期末の配当権利落ちなどで2000円割れ水準まで調整した。ただし足元では下げ渋り感を強めている。目先的な売りが一巡したようだ。
3月26日の終値1998円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS164円34銭で算出)は12~13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間55円で算出)は2.8%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS751円39銭で算出)は2.7倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線を一旦割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなって下げ渋る動きだ。中期成長力を評価して切り返し展開だろう。