【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは調整一巡、中期成長力を評価して14年12月高値目指す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、1000円近辺でモミ合う展開だが足元では調整一巡感を強めている。中期成長力を評価して14年12月高値1194円を目指す展開だろう。

 漬物・浅漬・キムチなど漬物製品の最大手メーカーである。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニエンスストアが主要取引先であり、ブランド力の向上、新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力も大幅に高まっている。

 事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速し、中・四国エリアでは広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)、北海道エリアでは札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が稼動している。

 14年11月実施のTOBによる自己株式取得によって、第1位株主の東海漬物の保有割合が27.20%に低下して親会社に該当しないこととなった。親会社の経営戦略の影響を受けずに、当社独自の経営判断で企業価値向上を図ることのできる体制を構築する。

 前期(15年2月期)の連結業績見通し(1月26日に減額修正)は、売上高が前々期比3.3%増の265億50百万円、営業利益が同23.2%増の10億50百万円、経常利益が同12.8%増の10億95百万円、純利益が同19.4%減の4億90百万円としている。配当予想(1月26日に増額修正)は前々期比3円増配の年間15円(期末一括)としている。

 売上高が計画を若干下回ったため営業利益と経常利益も減額修正し、純利益については子会社ピックルスコーポレーション札幌の旧工場の固定資産減損損失計上も影響して減益だが、営業利益、経常利益とも2桁増益を確保したようだ。

 キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、積極的な広告宣伝・販売促進活動、新製品開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーションなどの効果で、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進み、さらに事業エリア拡大と供給能力増強、契約栽培拡大などによる原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなどの戦略も着実に推進している。

 今期(16年2月期)は天候不順による原料野菜価格高騰の影響が一巡し、子会社の固定資産減損損失という一過性要因も一巡して好業績が期待される。中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、急伸した14年12月高値1194円から反落して日柄整理局面となり、概ね1000円近辺でモミ合う展開だが、足元では調整一巡感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

 3月26日の終値990円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS76円63銭で算出)は12~13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.5%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。中期成長力を評価して14年12月高値1194円を目指す展開だろう。

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