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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ヨコレイは戻り高値圏で堅調、15年9月期業績増額の可能性や低PBRを評価
- 2015/3/27 07:02
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
冷蔵倉庫大手のヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)の株価は、戻り高値圏840円~860円近辺で堅調に推移している。第1四半期(10月~12月)の高進捗率を好感する動きのようだ。15年9月期業績増額の可能性や低PBRを評価して14年7月高値884円、13年4月高値913円を目指す展開だろう。
冷蔵倉庫事業、および水産品・畜産品・農産品などの食品販売事業を展開している。14年10月スタートの第5次中期経営計画「Flap The Wings 2017」に基づいて、冷蔵倉庫事業では「COOLネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題としている。
目標数値としては17年9月期の売上高1500億円(冷蔵倉庫事業258億円、食品販売事業1242億円)、営業利益57億円、経常利益57億円、純利益32億円、ROE5.1%、配当性向40%以上、EBITDA100億円、自己資本比率52.0%を掲げている。安定・着実な成長で持続的な企業価値向上を目指す方針だ。
冷蔵倉庫事業では物流アウトソーシングサービスを軸とした総合低温物流への取り組みを強化し、低温物流サービスの戦略的ネットワーク展開に向けて積極投資を進めている。国内では14年4月北海道小樽市・石狩第2物流センター、6月大阪市・夢洲物流センター、10月宮崎県都城市・都城第2物流センターが竣工した。海外はASEAN地域への展開で14年2月にタイ・ワンノイ物流センター2号棟が竣工し、3月にはタイ・バンパコン第2物流センター(仮称)を着工(15年7月竣工予定)している。
15年2月には、中国の低温物流業界関係者が夢洲物流センターを訪れて施設見学会が開催された。同センターは最新鋭の冷却設備を備えた環境に優しい冷蔵倉庫で、参加者はノンフロン冷凍装置だけでなく、当社の高い品質管理に対する取組などに高い関心を示したとしている。また環境省のホームページでは、当社の冷蔵倉庫事業における省エネ型自然冷媒機器導入への取り組みが紹介された。
今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月14日公表)は、売上高が前期比1.4%増の1436億30百万円、営業利益が同7.2%増の44億円、経常利益が同3.8%増の42億60百万円、純利益が同36.2%増の25億円で、配当予想が前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。
冷蔵倉庫事業では、前期に稼働して費用が先行していた北海道小樽市・石狩第2物流センター、大阪市・夢洲物流センター、宮崎県都城市・都城第2物流センター、タイ・ワンノイ物流センター2号棟が通期で収益に本格寄与する。食品販売事業は水産品の市況が軟化傾向だが、販路拡充や回転率重視の販売などで収益確保に取り組む方針だ。
第1四半期(10月~12月)は前年同期比9.8%増収、同30.3%営業減益、同27.3%経常減益、同20.1%最終減益だった。冷蔵倉庫事業における新センター立ち上げ費用や償却負担、食品販売事業における水産品の相場軟化の影響で減益だった。しかし冷蔵倉庫事業では新センター稼働も寄与して貨物取扱量、平均保管在庫量とも順調に増加している。
そして通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が27.8%、営業利益が29.4%、経常利益が31.6%、純利益が35.2%と高水準であり、通期増額の期待が高まる。中期的にも冷蔵倉庫事業での積極投資が奏功して収益拡大基調が期待される。
株主優待については毎年9月30日現在の1000株以上保有株主に対して実施している。優待内容は1000株以上~3000株未満保有株主に対して鮭切身詰め合わせ、3000株以上保有株主に対して北海道産ホタテ・いくらセットを贈呈する。
なお2月13日に発表した第三者割当による自己株式処分について、3月3日に払込が完了したと発表している。当社取締役に対する株式報酬制度の導入に伴うもので、処分株式数37万3100株、処分価額1株804円である。
株価の動きを見ると、水準を切り上げて戻り高値圏の840円~860円近辺で堅調に推移している。第1四半期の高進捗率を好感し、好業績の内需株を物色する流れにも乗ったようだ。
3月26日の終値849円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円31銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1135円88銭で算出)は0.7倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調だろう。また日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して動意のタイミングのようだ。15年9月期業績増額の可能性や0.7倍近辺の低PBRを評価して14年7月高値884円、さらに13年4月高値913円を目指す展開だろう。