【新規上場(IPO)銘柄】アズームはIPO人気続く、遊休不動産の活用で収益が拡大へ

株式市場 IPO 鐘

 アズーム<3496>(東マ)は、9月20日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」という企業理念に基づき、「月極駐車場紹介サービス」と「月極駐車場サブリースサービス」を主力サービスとして、事業の拡充を図っている。

 「月極駐車場紹介サービス」では、月極駐車場ポータ ルサイト「カーパーキング」により獲得したユーザーを、自社直営駐車場に加え、他社運営駐車場への紹介もしている。「カーパーキング」の強化・情報の充実化で、月極駐車場の問い合わせが増加している。

 「月極駐車場サブリースサービス」では、駐車場の空き区画や土地を、オーナーから一括して借り上げ、同社運営のポータルサイト(「カーパーキング」等)を通じて獲得したユーザーにサブリースを実施している。オーナーの保有するビルの空き駐車場のサブリース依頼が増加。特に、分譲マンションの空き駐車場のサブリース依頼が増加傾向にある。

 その他サービスとしては、時間貸し駐車場、コインパサーチ(時間貸し駐車場検索サイト)、屋外広告スペース検索サイト、月 極バイク駐車場検索サイトの運営を行っている。

 前2018年9月期第3四半期業績実績は、売上高13億2600万円、営業利益1億3100万円、経常利益1億2900万円、純利益8300万円に着地。

 前18年9月期業績予想は、売上高18億1900万円(前の期比49.1%増)、営業利益2億0200万円(同14.4%増)、経常利益1億9300万円(同16.1%増)、純利益1億3500万円(同12.9%増)を見込む。駐車場データベース数の増加が取り扱い駐車場の増加につながり売上高は拡大しているほか、業務のIT化による効率的な業務運営により、売上高拡大に伴い利益率が上昇、経常利益の伸びが加速している。上場による調達資金で、サイトの質を 向上させる技術者の採用、事業拡大に伴う営業職の採用増に充てる。年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場初日の9月20日に公開価格3000円の2.13倍相当の6400円で初値をつけ、同21日高値7450円と買われ6500円を挟んでモミ合った後、10月1日にストップ高の8950円と急伸している。遊休不動産の活用という市場ニーズは高く、全国月極駐車場検索ポータルサイトのデータベース数拡大が、駐車場紹介数、さらに、駐車場サブリースサービス受託数の増加につながり、収益が拡大する見通しで、IPO人気が続く可能性が高そうだ。(株式評論家・信濃川)

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