綿半HDは2Qの2ケタ続伸業績発表を先取り独自ビジネスモデルの再評価もオンして反発

 綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日1日に3円高の2915円と3営業日ぶりに反発して引け、9月28日につけた株主優待制度の権利落ち後安値2898円から出直る動きを強めた。10月相場入りとともに、3月期決算会社の第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)業績動向が、注目ポイントとなっており、同社が、10月30日に発表を予定している2Q累計業績が、連続の2ケタ増益と予想されていることを先取りして好業績株買いが再燃した。10月3日から開催される「食品開発展2018」に出展し、天然由来の食品添加物や美容ドリンクを展示することも、ホームセンター業界で際立つ独自のビジネスモデルをさらにアピールするとして買い手掛かりとなっている。

■リニューアルオープンの富士河口湖店に加えEDLP戦略の経営効率化も寄与

 同社の今期2Q累計業績は、売り上げ501億9400万円(前期比1.7%増)、営業利益10億9900万円(同24.8%増)、経常利益11億9300万円(同27.7%増)、純利益6億9300万円(同17.3%増)と予想され、前年同期に続く2ケタ増益となる。昨年12月に老朽化した三鷹店を閉店したマイナス分を今年7月にリニューアルオープンした綿半スーパーセンター富士河口湖店でカバーするほか、一段と踏み込んだEDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略により売れ筋商品の絞り込みやチラシの大幅削減による経営効率化、EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略によりコスト削減を図ることなどが要因となる。
 また、今2019年3月期通期業績も続伸を予想、売り上げ1028億1000万円(前期比0.4%増)、営業利益24億4100万円(同4.1%増)、経常利益24億400万円(同4.1%増)、純利益15億3600万円(同3.6%増)と4期連続の過去最高更新となる。綿半スーパーセンター富士河口湖店のリニューアルオープンに続き、同社では37店舗目、岐阜県では初となる綿半スーパーセンター可児店が、今年11月7日に新規開業することなどが寄与する。

 なお同社は、ホームセンター業界では独自のビジネスモデルを展開しており、スーバーセンター事業のほか、特許取得工法で高実績の建設事業や医薬品、化成品を取り扱う貿易事業も兼営している。「食品開発展2018」に出展するのは、この貿易事業の化成品部で手掛けている独自商品で、南米チリ産の樹木キャラから抽出した天然乳化剤(起泡剤)のグレード剤やかつて砂漠を横断するときに食された食用サボテンの実を粉末にしたピューレを使用した美容ドリンクなどで、同社の成長可能性の再評価につながることになる。

■上値抵抗線だった25日線を上抜き売り長で逆日歩のつく信用好需給もフォロー

 株価は、米中貿易戦争のエスカレートやトルコショックの波及でつけた年初来安値2540円から売られ過ぎとして底上げし、9月中間期末を権利付き最終売買日とする株主優待制度の権利取りで3140円まで600円高、これまで上値抵抗線だった25日移動平均線を上抜き、今度は25日線が下値抵抗線に変わった。信用取組も、売り長で逆日歩がつく好需給となっており、3000円台で上値トライ、まず今年1月の上場来高値から年初来安値までの調整幅の3分の1戻しの3300円台奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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