カナモトは上値試す、18年10月期増収増益・連続増配予想で19年10月期も収益拡大期待

 カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタルの大手である。北海道を地盤として全国展開と業容拡大を推進し、長期ビジョンで海外展開を成長エンジンと位置付けている。需要が高水準に推移して18年10月期増収増益・連続増配予想である。10月9日には配当増額修正を発表している。そして19年10月期も収益拡大が期待される。株価は高値圏で堅調だ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。

■建設機械レンタル大手、成長エンジンとして海外展開を強化

 建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。M&Aも積極活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。

 18年2月には子会社ニシケンが、フジモトHDから福祉サービスのビップケアウエル安心の株式を譲り受けた。福祉用具卸レンタル事業で関東に進出する。18年8月には老舗建機レンタル会社のサンワ機械リース(北海道釧路市)の全株式を取得して子会社化した。非連結子会社となる。

 また18年8月には三重県四日市市に四日市営業所を開設した。全国営業拠点数は195拠点、グループ合計491拠点となった。
 55期の19年を見据えたグループの目指す姿を長期ビジョン「BULL55」として示し、海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けている。なお中国事業を再構築するため18年9月、連結子会社である上海金和源建設工程有限公司の全出資持分を譲渡すると発表した。

 収益面では公共工事の影響を受けやすく、建設関連のため売上高が第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する季節特性がある。

■18年10月期増収増益・連続増配予想

 18年10月期連結業績予想は、売上高が17年10月期比2.2%増の1618億70百万円、営業利益が4.0%増の173億30百万円、経常利益が1.3%増の174億20百万円、純利益が1.4%増の109億円としている。

 配当予想は10月9日に期末5円増額修正して、10円増配の年間60円(第2四半期末20円、期末40円)としている。3期連続増配で予想配当性向は19.5%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比7.0%増の1250億75百万円、営業利益が10.9%増の134億15百万円、経常利益が9.7%増の136億59百万円、純利益が5.2%増の82億55百万円だった。需要が堅調に推移して増収2桁営業増益だった。

 建設関連事業は売上高が6.4%増の1120億63百万円で営業利益が12.7%増の125億17百万円だった。公共投資が堅調に推移し、大都市圏での再開発関連など民間設備投資も増加した。その他事業は売上高が12.6%増の130億11百万円で営業利益が12.0%減の6億08百万円だった。需要堅調で増収だが、福祉関連の関東エリア進出に伴う設備投資負担で減益だった。

 通期ベースでも、各地の豪雨・地震災害復旧関連工事、首都圏での20年東京五輪関連工事、都市再開発プロジェクト、リニア新幹線関連工事、国土強靭化に向けた社会インフラ工事などで、建設機械レンタル需要が堅調に推移する見込みだ。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高77.3%、営業利益77.4%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。そして19年10月期も収益拡大が期待される。

■株価は上値試す

 株価は好業績を評価して高値圏で堅調に推移している。10月4日には年初来高値となる4140円まで上伸した。

 10月12日の終値は4030円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS308円44銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2440円41銭で算出)は約1.7倍、時価総額は約1455億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高観を強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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