【新規上場(IPO)銘柄】イーソルは12日にマザーズに上場、自動運転車関連の切り口から注目

株式市場 IPO 鐘

 イーソル<4420>(東マ)は、10月12日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、昭和50年の設立以来、組込みソフトウエア事業をその事業基盤として、自動車関連メーカ、デジタル家電メーカ、産業機器メーカ、医療機器メーカなど、国内外を問わず多くのメーカ様の製品開発をサポートしている。

 組込みソフトウエア事業では、国内外の顧客(自動車関連メーカ、デジタル家電メーカ、産業機器メーカ、医療機器メーカ等を含む)に対して、「RTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)の開発・販売」、組込みソフトウエアの受託業務としての「組込みソフトエンジニアリングサービス」、「組込みソフトウエア開発にかかわるコンサルテーション」、「組込みソフトウエア開発のためのツールの販売」、「組込みソフトウエア開発エンジニアの教育」であり、同社と連結子会社イーソルトリニティ株式会社及び連結子会社eSOL Europe S.A.S.が実施している。

 また、2016年には同社と株式会社デンソー、日本電気通信システム株式会社の3社で、成長著しいと考えている自動車向けソフトウエア(車載ソフト)市場に特化した、株式会社オーバスを合弁会社として設立し、日本国内外の自動車メーカや部品メーカへ、製品とサービスの提供を行っている。

 センシングソリューション事業では、主にハム・食品メーカ、冷食/アイスメーカ・卸、倉庫・運送業、ハンディターミナルメーカ、フォークリフトメーカ等を対象として組込み技術の応用製品として、ニッチ市場向けのハードウエアの開発・販売を行う、物流関連ビジネスを展開している。また、すでに衰退期に入ったと考えられる車載プリンタのビジネスに替わるものとしてセンサネットワーク関連ビジネスも展開している。

 今18年12月期第2四半期業績実績は、売上高45億5700万円、営業利益4億7800万円、経常利益4億9000万円、純利益3億4400万円に着地。主に組込みソフトウエア事業で、自動車向け、AV機器向け、FA向けが伸長した。

 今18年12月期業績予想は、売上高83億8800万円(前期比11.2%増)、営業利益4億9500万円(同14.4%増)、経常利益4億7700万円(同7.2%増)、純利益3億4000万円(同2.2%減)を見込む。上場で調達した資金は、研究開発や人材採用に充てる計画で、年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場2日目の10月15日に公開価格1680円の2.38倍相当の4000円で初値をつけた後、同18日高値48350円と買い進まれた後も底堅い動きとなっている。足元で、組込みソフトウエア事業が、自動車向け、AV機器向け、FA向けが好調で、デンソー、日本電気通信システムとの自動車向けソフトウエア(車載ソフト)市場に特化した取り組みに対する期待感を背景に自動運転車関連の切り口から注目されており、高人気が続く可能性がありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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