レオパレス21は界壁施工不備問題を織り込んで下値固め完了感
- 2018/10/23 06:27
- 株式投資ニュース
レオパレス21<8848>(東1)は、アパート・マンション・住宅等の建築・賃貸管理・販売を主力としている。19年3月期は界壁施工不備問題に係る特別損失計上で最終減益だが、営業利益は増益予想である。株価は界壁施工不備問題を織り込んで下値固め完了感を強めている。反発を期待したい。なお10月15日付で自己株式780万株を消却した。
■アパート・マンション・住宅等の建築・賃貸管理・販売などを展開
アパート・マンション・住宅等の建築・賃貸管理・販売(賃貸事業、開発事業)を主力として、介護施設運営のシルバー事業、ホテルリゾート・その他事業も展開している。単身賃貸住宅管理戸数は国内首位の57万戸である。
施工物件(アパート)の一部で界壁施工不備問題が判明したため、界壁施工不備問題緊急対策本部を設置し、他社管理となっている物件を含めて、施行した物件の全棟調査を実施している。シリーズとして施工不備が発生している可能性のあるネイルシリーズおよび6シリーズを優先して調査し、全棟調査の完了は19年6月を目指している。
■19年3月期は特別損失計上で最終減益だが、営業増益予想
19年3月期連結業績予想(8月3日に純利益を減額修正)は、売上高が18年3月期比4.2%増の5530億円、営業利益が6.8%増の245億円、経常利益が7.4%増の240億円、純利益が22.4%減の115億円としている。界壁施工不備に係る補修工事費用、ならびに外部調査費用等の付帯費用発生に備えるため、特別損失に補修工事関連損失引当金50億円を計上して最終減益予想である。
売上高、営業利益、経常利益は据え置いた。界壁施工不備問題が今期業績に与える影響として、賃貸事業で優先調査シリーズ約21万戸の空室募集保留の影響、開発事業で建築請負受注の減少が予想されるが、調査・補修工事完了後の空室募集再開、不動産開発の拡大、全部門における販管費の見直しによるコスト削減などで吸収し、営業増益予想としている。
■株価は下値固め完了感
株価は地合い悪化も影響して安値圏だが、8月の年初来安値538円を割り込むことなく推移し、界壁施工不備問題を織り込んで下値固め完了感を強めている。10月22日の終値は571円、今期予想連結PERは約13倍、時価総額は約1398億円である。反発を期待したい。