【編集長の視点】アイビーシーは続落も決算発表を前に増益転換業績を見直し続伸期待を高め下げ過ぎ修正買いは継続

 アイビーシー<3920>(東1)は、前日22日に33円安の1475円と3営業日続落して引けた。ただ取引時間中に一時1542円と買われる場面があり、今年10月11日につけた直近安1385円を意識して下げ渋る動きもみせた。同社が11月中旬に予定する9月期決算の発表を前に、目下集計中の前2018年9月期業績の2ケタ増益転換業績を見直し、今2019年9月期業績の続伸期待を高めて下げ過ぎ修正期待の買い物が交錯した。テクニカル的にも、世界同時株安の波及で突っ込んだ今年8月の安値1375円から、相次ぐ新サービスの提供開始を手掛かりに2100円高値まで短期3週間で5割超高した急騰相場の再現期待を強めている。

■V字回復の3Q以降も「G3」のクラウド型など新規サービスの提供が相次ぐ

 同社が目下集計中の今2018年9月期業績は、売り上げが14億円(前期比15.1%増)と11期連続の過去最高となるとともに、営業利益が2億1600万円(同15.8%増)、経常利益が2億1600万円(同27.8%増)、純利益が1億2900万円(同12.8%増)と2期ぶりの増益転換が予想されている。今年6月に提供を開始したクラウド型のログ管理サービス「LOG on SAMS」や、同じく8月から提供を開始した24時間365日対応のシステム情報監視ソフトウェアのサポートを強化した「System Answer G3」、さらに8月13日から加入している保険を一括で管理できる「iChain保険ウォレット」で緊急連絡時のホットラインを登録する新機能を追加するバージョンアップ版の無料配信を開始するなど新サービスの提供が目白押しとなったことが要因となる。

 期中の業績推移も、第1四半期(2017年10月~12月期、1Q)決算が黒字転換して着地し、第2四半期(2017年10月~2018年9月期、2Q)累計業績が、期初予想を上回って営業利益が、前年同期比91.6%増益とV字回復、第3四半期(2017年9月~2018年6月期、3Q)の営業利益も、同じく6.1倍と増益転換率を大きく拡大させた。この3Q決算発表後も、同社は次々と新サービスを提供、今年8月30日には「System Answer G3」のクラウド型サービスの提供を開始して導入コストを一段と低減させ、9月11日には「iChain保険ウォレット」で保険会社との初の協業として三井住友海上とのサービス連携を発表した。いずれも次期2019年9月期業績を押し上げる新規サービスであり、11月中旬の9月期決算の発表時の次期業績ガイダンスに期待を強めている。

■2番底から8月相場の短期5割高の再現期待を高めて9月の戻り高値奪回へ

 株価は、7月に買い進まれた年初来高値2822円から何波にもわたった世界同時株安に巻き込まれて8月に1375円まで大幅調整し、ここで相次いだ新サービス提供を手掛かりに9月13日の2100円の戻り高値へ52%高の底上げをした。足元では、さらに世界的に株価が不安定化していることで再び下値を探り8月安値に接近、チャート上では2番底を形成している。25日移動平均線からは13%超のマイスかい離と下げ過ぎが歴然となっており、8月相場の再現期待を高めまず戻り高値奪回に進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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