【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アスカネットは下値固め完了して強基調に転換、空中結像AI事業期待に変化なし

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、第3四半期累計(5月~1月)の高進捗率や空中結像AI事業の製品化接近を好感し、3月20日には戻り高値となる3130円まで上伸した。直近安値圏2300円~2400円近辺で下値固めが完了したようだ。15年4月期業績に増額の可能性があり、16年4月期は新規事業の収益寄与も期待される。AI事業の製品化期待にも変化はなく、高値圏を目指す展開だろう。

 葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。

 新規事業の空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートは、画像映像を表す光を受け、特殊なパネルを通過することによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。独自技術を強固にするため特許申請も進め、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。

 現状はAIプレート試作品の販売を進めながら、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。そして今期(15年4月期)中に、来期(16年4月期)の製品化に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。

 また14年12月には、ネットを活用して「選べるギフト」を贈る新しいギフトサービスシステム「ギフトネットコム」のサービスを開始した。金額不記載の「オンデマンド・オリジナルカード」を商品交換券として使用する「選べるギフト」に特化したECプラットフォーム(特許申請中)で、ギフトカード市場やカタログギフト市場への浸透を目指している。

 3月6日に発表した今期(15年4月期)第3四半期累計(5月~1月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比5.7%増の37億41百万円、営業利益が同6.9%減の5億41百万円、経常利益が同6.8%減の5億46百万円、純利益が同10.5%増の3億96百万円だった。

 新規事業の広告宣伝費や研究開発費の増加で営業減益だったが、既存事業のメモリアルデザインサービス事業は同4.1%増収、同3.8%営業増益、パーソナルパブリッシングサービス事業は同5.9%増収、同4.2%営業増益と堅調に推移している。純利益は災害に伴う受取保険金が寄与した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(5月~7月)11億70百万円、第2四半期(8月~10月)11億55百万円、第3四半期(11月~1月)14億16百万円、営業利益は第1四半期1億55百万円、第2四半期1億26百万円、第3四半期2億60百万円と順調に推移している。

 通期の業績(非連結)見通しは前回予想(6月10日公表)を据え置いて売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円、配当予想が14年11月1日付の株式4分割を考慮すると実質的に前期と同額の年間8円(期末一括)としている。

 通期ベースでも新規事業の広告宣伝費や研究開発費の増加で減益の計画としている。ただし既存事業のメモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも順調に推移する見込みだ。メモリアルデザインサービス事業ではメモリアルビデオなど映像サービス収入も伸長し、パーソナルパブリッシングサービス事業では「ZENレイフラット」や「オンデマウント」も好調である。

 14年12月にサービス開始した「ギフトネットコム」については、今期は売上高として純額手数料収入10百万円を見込むが、広告宣伝費・開発費・人件費などの費用先行で1億10百万円の損失を見込んでいる。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.1%、営業利益が80.4%、経常利益が80.8%、純利益が91.3%である。下期の構成比が高い収益構造を考慮すれば通期増額の可能性があり、来期(16年4月期)は新規事業の費用先行が一巡して収益寄与が期待される。収益は拡大基調だろう。

 株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して自社サービス(マイブック)の割引利用券を贈呈している。14年11月1日付株式4分割後100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。

 なお3月12日に、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって自己株式5万6000株を取得した。取得価額総額は1億4229万6000円だった。

 株価の動き(14年11月1日付で株式4分割)を見ると、第3四半期累計の高進捗率やAI事業の製品化接近を好感する形で動意づき、3月20日には戻り高値となる3130円まで上伸した。直近安値圏2300円~2400円近辺で下値固めが完了したようだ。

 3月27日の終値2889円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS25円92銭で算出)は111倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.3%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS219円87銭で算出)は13倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調に転換したようだ。15年4月期業績に増額の可能性があり、16年4月期は新規事業の収益寄与も期待される。空中結像AI事業の製品化期待にも変化はなく、高値圏を目指す展開だろう。

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