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カーリットホールディングスは売られ過ぎ感、19年3月期2桁営業増益予想
- 2018/10/26 19:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
カーリットホールディングス<4275>(東1)は、化学品事業、ボトリング事業、産業用部材事業を展開している。19年3月期2桁営業増益予想である。株価は地合い悪化も影響して年初来安値更新の展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。なお10月31日に第2四半期決算発表を予定している。
■化学品、ボトリング、産業用部材を展開
M&Aを積極活用して規模拡大と事業多様化を推進し、化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験、電池受託評価試験、塩素酸ナトリウム、ロケット固体推進薬原料、電気二重層キャパシタ用電解液、イオン導電材料等)、ボトリング事業(飲料のボトリング加工)、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、耐火・耐熱金物、ばね・座金等)を展開している。
18年3月期のセグメント別(その他・消去前)の売上高構成比は化学品45%、ボトリング38%、産業用部材17%、営業利益構成比は化学品57%、ボトリング31%、産業用部材12%だった。
■中期経営計画「礎100」で事業基盤確立を推進
中期経営計画「礎100」では、18年の創業100周年を迎え、次の100年企業の礎となる事業基盤確立を推進している。目標数値として18年度売上高540億円、営業利益24億円、営業利益率4%、連結配当性向20~30%、さらに中長期目標として売上高1000億円企業を掲げている。
基本戦略には、成長基盤強化(新商品・新規事業の創出と育成、M&Aや資本・技術提携)、収益基盤強化(経営資源の有効配分、新商品開発のスピードアップ)、グループ経営基盤強化(グループシナジーの最大化、子会社・事業の再編・統廃合、R&Dの新体制構築、海外展開の強化、CSR経営の推進)を掲げている。
新商品・新規事業の創出と育成では、ロケットの固体推進薬、キャパシタ用部材・原料、茶殻から有用成分を抽出する技術、光学用途シリコン、ゲルマニウム精製事業などの開発・事業化を推進している。
■19年3月期2桁営業増益予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比4.3%増の540億円、営業利益が18.3%増の24億円、経常利益が14.9%増の25億円、純利益が0.5%減の15億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(期末一括)としている。18年3月期には創業100周年記念配当2円が含まれているため普通配当ベースでは2円増配となる。予想配当性向は18.9%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比4.4%増の124億71百万円、営業利益が52.8%増の3億51百万円、経常利益が47.0%増の4億58百万円、純利益が39.2%増の2億88百万円だった。
化学品事業は2.3%増収で43.8%増益、ボトリング事業は1.4%増収で赤字拡大、産業用部材事業は12.6%増収で33.0%増益だった。ボトリング事業は定期修繕の影響で赤字だったが、化学品事業では電池受託評価試験、産業用部材事業では半導体用シリコンウェーハなどが好調に推移した。
通期のセグメント別(連結消去前)計画は、化学品の売上高が6.4%増の240億円で営業利益が27.3%増の13億80百万円、ボトリングの売上高が0.5%減の192億円で営業利益が22.3%減の4億60百万円、産業用部材の売上高が6.9%増の90億円で営業利益が77.5%増の4億10百万円としている。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.1%、営業利益14.6%だが、通期ベースでも好業績を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎期末(3月31日)時点の株主を対象として実施している。なお19年3月期末から優待内容を変更し、保有株式数および保有期間に応じてギフトカードを贈呈する。
■株価は売られ過ぎ感
株価は10月26日に793円まで下押した。地合い悪化も影響して年初来安値更新の展開だが、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
10月26日の終値は793円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS63円36銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1085円11銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約190億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)