【新規上場(IPO)銘柄】ラクスルはハコベルが47都道府県全国展開、売上高3割増を計画

株式市場 IPO 鐘

 ラクスル<4384>(東マ)は、5月31日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。同社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンの下、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、同社の主な顧客である国内の企業・中小企業の経営をより良くすることを目指し、事業を展開している。同社は、印刷・集客支援のシェアリングプラットフォームを中心とした印刷EC事業「ラクスル」、及び物流のシェアリングプラットフォームを中心とした運送事業「ハコベル」を展開している。

 印刷EC事業の「ラクスル」では、圧倒的な小ロットを実現。平均顧客単価は1万円程度で、営業を主体とした印刷では掘り起こせなかった需要が、ラクスルの需要の中心になっている。インターネットを印刷業界に持ち込むことで、これまで印刷を発注したくてもできなかった中小企業に、本格的な印刷物を提供している。

 運送事業の「ハコベル」では、圧倒的なオンデマンドを実現。ドライバーをスマホでネットワークし、プラットフォームを作ることで、ドライバーの”時間”にアクセスできるようにし、急なオーダーでも、多くのドライバーに一斉に仕事情報を配信することで、時間が空いているドライバーはすぐに仕事にかけつけている。荷主側も、ハコベルを使い需要に応じて必要な時に、必要な台数や時間分だけを調達している。

 前2018年7月期業績実績は、売上高111億7400万円(前の期比45.6%増)、営業損益9300万円の黒字(同11億4500万円の赤字)、経常損益4300万円の黒字(同11億6300万円の赤字)、最終損益1500万円の黒字(同11億7500万円の赤字)に着地。

 今19年7月期業績予想は、売上高145億円(前期比30.2%増)を見込む。また、営業利益以下の各段階利益は黒字を見込むが、機動的な投資判断を実施する観点から、具体的な金額予想は開示しない方針。年間配当は無配を予定している。

 株価は、5月31日に上場来安値1639円から9月26日に上場来高値3930円と上昇。10月29日安値2720円と下げて2600円どころの下値圏に接近している。「ハコベル」は、7月23日から全国エリアでのサービスを正式に開始。関東・関西・九州地方の1都2府10県でサービスを展開していたが、集荷対象エリアは47都道府県を網羅し、全国に展開、今19年7月期売上高3割増を計画しており、12月13日に予定される第1四半期決算が順調に推移していれば、リバウンド相場入りが期待される。ここから突っ込む場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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