【編集長の視点】4月イベント相場はまず健康食品の新機能表示制度関連株をフロントランナーとしてアプローチ=浅妻昭治

編集長の視点

<マーケットセンサー>

「天国と地獄」の急変に遭遇すると、少なくない投資家がキモを冷やすのはよくあることだ。3月期決算会社の配当権利落ちとなった前週末3月27日がまさにこれである。前場は、日経平均株価が、権利落ち分約112円を埋めて118円高と急反発して「2万円台乗せがカウントダウン」、「2万円は通過点」などの強気観測に拍車が掛かった。

ところが、後場中ごろに株価指数先物に売りが出た途端に、一時は1万9100円台割れまで急落、結局、配当落ち分をスンナリ落として引けた。こうなると、前場は株価材料としてはスルーされていた問題が、改めて懸念されてくる。米国の足元の景気動向への警戒感やサウジアラビアのエメンへの軍事介入による中東の地政学リスクなどである。期末の配当権利取りでようやく遅れて買い参戦した個人投資家などには、「高値でハシゴを外された」と危機感を募らせるまでに至らないものの、市場ムードに乗って配当権利取りを優先したのが、正解だったか間違いだったか不安に駆られた向きもあるいはあるかもしれない。

実質新年度相場入りとなった27日が、こうした乱高下する展開となったから、1日から名実ともに新年度入りする4月相場の動向も気になってくる。ただ救いは、マーケットにはまだこの乱高下を「スピード調整」、「4月の統一地方選挙まで株高が続く」とするコメントが多数派となっていることで、10週間ぶりに陰線を引いた日経平均株価の週足が、再び連続陽線を示現することを期待したくなる。

この期待をフォローしてくれそうなのが、4月の月初に相次ぐイベントである。1日の日銀短観、3日の米国雇用統計のそれぞれの重要経済指標の発表に前後して、国内では、恒例の小売り各社の3月月次売上高、2月期決算会社の業績発表などが続く。とくに3月の月次売上高は、前月同月が、消費税増税の直前月で、駆け込み需要で大きく売上高を伸ばしており、この比較でプラスとなるか、反動減となるか、反動減としてもどの程度にとどまるか、さらに「官製春闘」による賃上げの先取りがあったのかなかったのかなどによって、小売り各社の株価が影響を受け、海外の不透明情勢の圏外にある内需株として存在感を増す展開も想定される。

昨今の相場は、イベント相場の色合いを濃くしており、なまじの相場観よりイベントの結果が、好調か不調か、市場コンセンサスを上回ったか下回ったかで、ポジティブ・サプライズにもネガティブ・サプライズにもなって株価の変動要因となっており、足元のイベントに一つ一つを着実に追随する方がむしろ好パフォーマンスにつながっている。まさに諺でいう「千里の道も一歩から」である。

そこで4月のイベントの一つで注目したいのが、4月1日からの健康食品の新機能性表示制度の施行である。健康食品の機能性表示が、「アベノミクス」の成長戦略の一環として規制緩和され、事業者が、科学的根拠を届け出れば、「血圧が気になる方へ」、「強い骨をつくる」、「肝臓をサポートする」などの表示が可能となるのである。健康食品には従来、国の審査と許可が必要な「特定保健用食品(トクホ)」とビタミン類などの「栄養機能食品」の2種類があったが、生鮮商品、加工食品も含めた「第3の制度」として健康食品市場を大きく拡大すると観測されている。

現に、20年前に同種の制度を導入した米国では、これをキッカケに市場規模は3倍以上に拡大したとされており、連想が働くことになる。日本の健康食品・サプリメント市場は、1兆8000億円~2兆円と推定され、これが新機能性表示制度で倍増するとの見方が有力になっている。新商品の開発、異業種からの参入なども予想され関連株の裾野も広がってくる。主力株でも関連する銘柄は少なくないが、中心は、小型株でまずは材料株人気の高まりが予想されるが、4月相場のフロントランナーとして注目してみたい。(本紙編集長・浅妻昭治)

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