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ピックルスコーポレーションは上値試す、19年2月期2桁営業・経常増益予想で上振れ余地
- 2018/11/1 06:21
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、惣菜分野やECサイトへの事業展開も加速している。19年2月期2桁営業・経常増益予想である。そして上振れ余地がありそうだ。株価は上場来高値圏から一旦反落したが、地合い悪化の影響が一巡して上値を試す展開が期待される。
■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上
漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。
17年12月には関西地区の生産体制を強化するため手柄食品(兵庫県姫路市)を子会社化した。また九州地区で事業拡大するためピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場が18年4月稼働した。
新たな販売チャネルとして18年4月、ピーネ12乳酸菌活用した商品のECサイト「ピーネオンラインショップ」と、国産・化学調味料不使用にこだわった漬物のECサイト「八幡屋オンラインショップ」を開設した。
18年2月期の品目別売上構成比は製品61.4%(浅漬・キムチ42.8%、惣菜16.2%、ふる漬2.4%)および商品38.6%で、販路別売上構成比は量販店・問屋等71.8%、コンビニ13.0%、外食・その他15.2%である。
■19年2月期2桁営業・経常増益予想、2Q累計順調で通期上振れ余地
19年2月期連結業績予想は売上高が18年2月期比7.4%増の403億86百万円、営業利益が15.0%増の13億01百万円、経常利益が14.6%増の14億13百万円、純利益が3.5%減の8億41百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間25円(期末一括)としている。18年2月期には記念配当3円を含んでいるため普通配当ベースでは3円増配となる。予想配当性向は19.0%となる。
積極的な営業活動などで増収基調に変化はなく、ピックルスコーポレーション西日本・佐賀工場の稼働、子会社化した手柄食品も寄与する。販管費増の増加を吸収して2桁営業・経常増益予想である。品目別売上高計画は、製品が9.0%増の251億75百万円(浅漬・キムチが7.2%増の172億39百万円、惣菜が14.6%増の69億79百万円、ふる漬が3.9%増の9億57百万円%)、商品が4.8%増の152億10百万円としている。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.6%増の208億88百万円、営業利益が5.0%増の9億13百万円、経常利益が6.1%増の9億89百万円、純利益が0.7%減の5億99百万円だった。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズを中心とするキムチ製品の拡販、手柄食品の連結、原料価格の安定などで、売上高、営業利益、経常利益は過去最高だった。純利益は固定資産処分損の計上や法人税等の増加で減益だった。
第2四半期累計の進捗率は売上高51.7%、営業利益70.2%と順調である。原料の野菜価格が安定して通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■中期的に収益拡大基調
中期目標は21年2月期売上高450億円、営業利益15億70百万円、経常利益16億80百万円、純利益10億08百万円としている。設備投資はピックルスコーポレーション西日本・佐賀工場の稼働、既存工場の増床・更新など、19年2月期からの3年間で49億66百万円を計画している。
キムチ製品や惣菜製品など製品開発の強化、近畿・中国・四国・九州への販売エリア拡大、ドラッグストアや配食事業など新規販売先の拡大、新規事業であるECサイト(ピーネ、八幡屋)の展開などを推進している。天候不順による野菜価格の高騰がリスク要因だが、中期的に収益拡大基調が期待される。
■株価は地合い悪化の影響が一巡して上値試す
株価は10月17日の上場来高値2498円から地合い悪化の影響で一旦反落したが、10月30日の直近安値2032円から切り返している。10月31日の終値は2239円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS131円53銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1733円07銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約143億円である。
週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインの形だ。地合い悪化の影響が一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)