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エイトレッドは出直り期待、19年3月期2Q累計が大幅増収増益で通期予想に上振れ余地
- 2018/11/1 06:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイトレッド<3969>(東マ)はワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。導入企業数・クラウド利用数が増加して19年3月期増収増益・増配予想である。第2四半期累計は大幅増収増益だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響が一巡して出直りが期待される。
■国内ワークフローシステム市場でシェア1位
ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。
ワークフローというのは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書などの作成~申請~回覧~承認~保存~履歴管理のように、企業内における業務・事務処理手続きの一連の流れ・プロセスのことである。
このワークフローをコンピュータに組み入れて、従来の紙文書での手書き・回覧作業を、パソコン・スマホ入力で電子文書化することによって、業務負担の軽減、ペーパーレス化、回覧に要する時間の短縮、書類の紛失防止など、業務効率化・迅速化やセキュリティ向上を実現するシステムが「ワークフローシステム」である。
主力製品は、パッケージ型の小規模・中規模企業向けX-point(エクスポイント)、中規模・大規模企業向けAgileWorks(アジャイルワークス)、クラウド型の小規模企業向けX-point Cloud(エクスポイントクラウド)である。17年5月にはクラウドアプリプラットフォームのATLED Work Platformの提供を開始した。
03年X-point販売開始以来、スモールビジネスから大手企業まで2000社を超えるパッケージ製品導入実績を誇り、国内ワークフローシステム市場においてシェア1位である。
パッケージ導入企業数、クラウド利用ユーザー数とも増加基調であり、ストック型収益(サービス&サポート)比率が上昇基調である。販売面では第2位株主であるSCSK<9719>など、幅広い顧客層をカバーする大手SIとのパートナー関係を構築している。
■ワークフローシステムの市場は拡大基調
ワークフローシステム市場は、09年度から15年度まで年平均13.5%(株式会社ミック経済研究所調べ)と高成長を続けている。しかし依然としてワークフローシステムによる電子文書化を導入せず、紙・手書きベースでの業務・事務処理に依存している企業が多いため潜在市場は大きい。また在宅勤務やテレワークといった働き方改革の推進、企業不祥事防止のための内部統制強化の流れなども背景として、市場は拡大基調が期待される。
こうした事業環境に対応し、中期成長戦略として営業の強化、アライアンスパートナーの開拓、製品機能の強化、クラウド対応の拡大などの施策を推進する方針だ。
■19年3月期増収増益・増配予想
19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比13.8%増の12億60百万円、営業利益が16.9%増の3億79百万円、経常利益が11.0%増の3億60百万円、純利益が7.2%増の2億39百万円としている。配当予想は66銭増配(17年12月17日付株式3分割換算後)の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)で、予想配当性向は31.3%となる。導入企業数・クラウド利用数が増加して増収増益・増配予想である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6億61百万円、営業利益が35.2%増の2億16百万円、経常利益が35.3%増の2億17百万円、純利益が31.5%増の1億41百万円だった。パッケージソフトが22.6%増収(フロー売上が28.3%増収、ストック売上が17.1%増収)と好調に推移した。注力しているクラウドサービスも35.9%増収と大幅伸長した。
市場拡大も背景として、パッケージソフト、クラウドサービスとも大幅増収基調である。そして第2四半期累計の進捗率は売上高52.5%、営業利益57.0%と高水準だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は9月末と3月末の年2回
株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。
■株価は地合い悪化の影響が一巡して出直り期待
株価は10月29日の直近安値111円から急反発している。10月31日の終値は1283円、今期予想PER(会社予想EPS35円15銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は約0.8%、前期実績PBR(前期実績BPS212円47銭で算出)は約6.0倍、時価総額は約88億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、安値圏の長い下ヒゲで売り一巡感を強めている。地合い悪化の影響が一巡して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)