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エスプールは売り一巡して反発期待、18年11月期3Q累計が高進捗で通期予想は上振れの可能性
- 2018/11/2 06:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。18年11月期は2桁増収増益・増配予想である。第3四半期累計が高進捗であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価は上場来高値圏から地合い悪化も影響して急反落したが、売り一巡して反発を期待したい。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
17年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業34%、人材ソリューション事業66%だった。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は、17年11月期末時点で8農園を展開し、利用企業数が136社、管理区画数が1337区画、就業数が668名である。新規事業のアルバイト採用支援サービス「Omusubi」は取引社数が28社に拡大し、18年10月徳島県小松島市に4拠点目となるとコールセンターを開設した。
また17年10月アルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携、17年12月中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携している。18年8月には通販商品発送代行サービスの子会社エスプールロジスティクスが、食品ロス削減を目的として社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI.jp」を運営するグラウクスと、通販企業の余剰在庫の有効活用サービスを共同で開始した。
■営業利益率5%の早期達成目標
なお営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。
中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。
■18年11月期3Q累計が高進捗で通期予想は上振れの可能性
18年11月期連結業績予想は、売上高が17年11月期比16.2%増の135億87百万円、営業利益が20.7%増の8億14百万円、経常利益が16.7%増の8億02百万円、純利益が10.7%増の4億68百万円としている。配当予想は1円40銭増配(18年3月1日付株式5分割換算後)の年間5円(期末一括)としている。予想配当性向は16.8%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比28.8%増の107億01百万円、営業利益が78.8%増の6億99百万円、経常利益が78.7%増の7億03百万円、純利益が83.0%増の4億37百万円だった。需要が高水準に推移して計画超の大幅増収増益だった。
ビジネスソリューション事業は売上高が16.4%増の31億76百万円で営業利益が40.1%増の5億79百万円だった。売上面では、17年11月末に撤退したスマートメーター設置業務が無くなったが、障がい者雇用支援サービスが18年4月障害者雇用促進法改正も追い風として大幅伸長(72.9%増の13億36百万円)した。ロジスティクスアウトソーシングサービスではEC通販発送代行サービスが堅調だった。採用支援サービス「Omusubi」等の新規サービスも伸長した。利益面では、18年2月本稼働した品川物流センターの収益化が遅れているが、利益率の高い障がい者雇用支援サービスの大幅伸長が牽引して大幅増益だった。
人材ソリューション事業は売上高が35.5%増の75億85百万円で営業利益が48.0%増の7億56百万円だった。主力のコールセンター業務において、未経験者の即戦力化に長けたグループ型派遣サービスが大幅伸長し、社会保険負担の増加や業容拡大に対応した販管費の増加などを吸収して大幅増益だった。
通期ベースでも需要が高水準に推移して2桁増収増益予想である。セグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が9.1%増の43億64百万円で営業利益が5.0%増の7億64百万円、人材ソリューション事業の売上高が21.1%増の93億55百万円で営業利益が29.3%増の8億80百万円としている。
ロジスティクスアウトソーシングサービスの収益改善策の一環で物流システム刷新を図るが、システム変更が難しい一部顧客との契約を第4四半期に終了することなどを考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高78.8%、営業利益85.9%と高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。
■株価は売り一巡して反発期待
株価(18年3月1日付で株式5分割)は、10月1日の上場来高値2029円から地合い悪化も影響して急反落し、10月30日には1354円まで下押す場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めている。
11月1日の終値は1478円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS29円70銭で算出)は約50倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS92円54銭で算出)は約16倍、時価総額は約233億円である。売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)