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ジェイテックは19年3月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期も大幅増益予想
- 2018/11/2 06:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。19年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益だった。そして通期も大幅増益予想である。収益改善を期待したい。株価はやや乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。
■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力
製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別している。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。18年4月1日時点のテクノロジスト数は428名である。
機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱として、LIXIL、本田技術研究所、デンソーテクノ、ヤマハ発動機、三菱日立パワーシステムズ、パナソニックホームアプライアンス、富士通テンなど、幅広い業種の優良企業との取引がある。特定の業界・企業への依存度を低くして、業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。
18年3月期の業種別売上構成比は、自動車関連21%、産業用機器関連17%、精密機器関連3%、情報通信機器関連3%、電子・電気機器関連8%、半導体・集積回路関連3%、情報処理関連12%、建築関連24%などとなっている。また顧客上位10社の占める割合は約49%である。
18年3月には、インターネットを通じて派遣社員の勤怠状況を管理するクラウドサービス「staff-one」の販売を開始した。また18年10月には、多言語対応注文支援システム「グルくる」が経済産業省のIT導入補助金の対象サービスに認定された。
■19年3月期大幅増益予想で収益改善期待
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.3%増の33億69百万円、営業利益が38.1%増の1億07百万円、経常利益が39.1%増の1億06百万円、純利益が2.3倍の79百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間1円(期末一括)で、予想配当性向は10.8%となる。
第2四半期累計(10月26日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.5%増の15億25百万円、営業利益が75百万円(前年同期は15百万円)、経常利益が75百万円(同14百万円)、純利益が52百万円(同3百万円)だった。
売上高は人材不足の影響で計画を下回り微増収にとどまったが、テクノロジストの高付加価値業務への配属や新入社員の早期派遣配属を推進し、稼働率・契約単価の高水準推移、販管費の抑制、のれん償却の一巡も寄与して、利益は計画超の大幅増益だった。技術職知財リース事業は0.3%増収、一般派遣およびエンジニア派遣事業は4.8%増収だった。
通期ベースでも採用活動の強化で技術職知財リース事業の伸長を図り、システム開発受託・請負業務にも注力する方針だ。収益改善を期待したい。
中期経営計画では目標値に、21年3月期売上高35億74百万円、営業利益1億15百万円、経常利益1億14百万円、純利益87百万円を掲げている。中期的に事業環境は良好であり、収益拡大を期待したい。
■株価はやや乱高下
株価は9月の戻り高値307円から反落した後は、地合い悪化の影響や第2四半期累計の利益増額修正などでやや乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。11月1日の終値は256円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円22銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS97円20銭で算出)は約2.6倍、時価総額は約22億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)