【株式評論家の視点】和心はモノ事業とコト事業を展開、換金売りが一巡した感あり

株式評論家の視点

  和心<9271>(東マ)は、本年3月29日に東京証券取引所マザーズに上場。同社は、2003年の創業以来「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に掲げ、「日本文化を感じるモノを作り販売する」モノ事業と「日本文化の良さを体験してもらう」コト事業の2つの事業を展開している。


 モノ事業は、同社の創業時からの事業で、かんざし、和傘、箸など和雑貨・和小物を中心に企画・デザインから製造、販売まで自社で行う、SPA事業で、かんざし屋wargo、北斎グラフィック、箸や万作の名前でそれぞれ専門店を展開している。

 コト事業では、世界中の人に着物を楽しんでもらうことを目的に、全国の主要観光地で着物のレンタルサービスを提供している。ECサイトで着物一式を借りることができる宅配着物レンタルサービスも運営している。

 今2018年12月期第2四半期業績実績は、売上高12億6700万円、営業利益4700万円、経常利益3200万円、純利益1900万円に着地。6月18日に発生した大阪府北部地震に加え、6月28日以降の西日本の豪雨によって、同社店舗が最も多く立地する京都エリアを中心に来店客数が急速に減少したことが大きく響いた。

 今18年12月期業績予想は、売上高28億4100万円(前期比14.1%増)、営業利益1億円(同58.5%減)、経常利益8400万円(同65.7%減)、純利益4000万円(同81.1%減)を見込む。年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、7月9日につけた上場来の高値6190円から10月29日に上場来の安値1320円と調整。11月5日高値1692円と買われている。大阪府北部地震と西日本の豪雨による影響、新規出店も出遅れたため、今18年12月期は当初計画を下回り減益を見込むが、換金売りは一巡した感があり、公募価格の1700円を割り込んでおり、値ごろ感はある。来19年12月期会社計画が明らかになるまでモミ合いとなりそうだが、上場来安値に接近すれば、二番底形成となる可能性もありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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