クリナップは19年3月期下方修正して赤字予想だが、株価は売り一巡感

 クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。19年3月期第2四半期累計は新設住宅着工戸数の低迷などで赤字だった。そして通期も下方修正して赤字予想となったが、株価は売り一巡感を強めている。反発を期待したい。

■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開

 システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。

 18年3月期の部門別売上構成比は厨房部門78%、浴槽・洗面部門16%、その他6%である。販売ルート別売上構成比(単体ベース)は一般ルート(工務店・リフォーム)79%、ハウスメーカー16%、直需(マンション)5%である。

 中期経営計画(18年~20年)ではビジョンに「暮らし価値創造企業Cleanupへの変革」を掲げている。具体的な重点施策として、高級・超高級市場への本格参入に向けた商品ラインナップの変革、富裕層ビジネスの本格展開、シェア回復に向けたフラッグシップモデルの刷新、ショールームにおける価値提供の強化、アジア諸国向けステンレスキャビネットの本格展開、新たな販売チャネルとしてのECビジネス立ち上げなどを推進する。

■19年3月期2Q累計は赤字、通期も下方修正して赤字予想

 19年3月期の連結業績予想は10月31日に売上高、利益とも下方修正して、売上高が18年3月期比1.3%減の1060億円、営業利益が7億50百万円の赤字(18年3月期は3億98百万円の黒字)、経常利益が7億20百万円の赤字(同4億18百万円の黒字)、純利益が12億20百万円の赤字(同49百万円の黒字)としている。配当予想は据え置いて、18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.0%減の498億82百万円、営業利益が11億59百万円の赤字(前年同期は6億01百万円の黒字)、経常利益が10億95百万円の赤字(同6億26百万円の黒字)、純利益が12億86百万円の赤字(同3億16百万円の黒字)だった。新設住宅着工戸数やリフォーム市場の低迷で、厨房部門が7.0%減収、浴槽・洗面部門が3.7%減収と低調に推移し、原材料価格の上昇や広告宣伝費の増加なども影響して、各利益とも赤字となった。

 通期ベースでは、システムキッチン「CENTRO」や「STEDIA」を中心に売上拡大を図り、全社的なコスト削減も推進するが、下期も新設住宅着工戸数やリフォーム市場の低迷が続く見込みだ。20年3月期の収益改善を期待したい。

■株価は売り一巡感

 株価は11月5日に年初来安値624円まで下押したが、その後は売り一巡感を強めている。反発を期待したい。11月7日の終値は656円、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1430円36銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約246億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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