- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 神鋼商事は反発の動き、19年3月期経常減益予想だが2Q累計概ね順調
神鋼商事は反発の動き、19年3月期経常減益予想だが2Q累計概ね順調
- 2018/11/9 06:25
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は経常減益予想だが、第2四半期累計は概ね順調だった。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■19年3月期経常減益予想だが2Q累計概ね順調
19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。期初計画との比較では円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与する。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の4622億27百万円、営業利益が1.6%減の35億67百万円、経常利益が5.0%減の39億15百万円、純利益が2.8%増の29億34百万円だった。鋼材価格の上昇、北米における鋼材や自動車向けアルミ・銅製品の数量増加などで増収だが、販管費の増加で営業・経常減益だった。
セグメント別の経常利益は、鉄鋼が19.7%増の23億54百万円、鉄鋼原料が0.1%減の5億58百万円、非鉄金属が21.7%減の9億14百万円、機械・情報が2百万円の赤字(前年同期は1億57百万円の黒字)、溶材が43.0%増の81百万円だった。
通期では鉄鋼、機械・情報、溶材が増益見込み、鉄鋼原料、非鉄金属が減益見込みとしている。第2四半期累計の進捗率は売上高48.9%、経常利益48.9%と概ね順調である。
■株価は反発の動き
株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新し、10月26日と29日に2687円まで下押す場面があったが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。
11月8日の終値は2879円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約255億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)