- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ハウスドゥは売られ過ぎ感、19年6月期大幅増収増益・増配予想
ハウスドゥは売られ過ぎ感、19年6月期大幅増収増益・増配予想
- 2018/11/16 06:49
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ハウスドゥ<3457>(東1)は、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す「不動産テック企業」である。積極的な事業展開で19年6月期大幅増収増益・増配予想である。第1四半期の進捗率は低水準だが、第2四半期と第4四半期に不動産ファンド等の大型売却を計画している。株価は売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
■住まいのワンストップサービスを展開する不動産テック企業
市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を展開し、FinTechを活用した不動産流通ソリューションで業界変革を目指す「不動産テック企業(不動産×IT)」である。
不動産流通事業で創業し、リフォーム事業、不動産売買事業、不動産売買仲介「HOUSEDO」FC加盟店に各種サービスを提供するフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業、金融機関と提携したリバースモーゲージ保証事業へと展開し、業容を拡大している。
18年2月には、タイムシェアリング事業「タイムルームクラウド」を開始、京葉ビルドを子会社化した。18年3月には、ハウス・リースバックで取得した個人住宅など収益不動産物件を対象に不動産特定共同事業法スキームによる匿名組合方式の不動産ファンド「HLBファンド1号」を組成、賃貸不動産仲介事業の新ブランド「RENT Do!(レントドゥ!)」1号店の渋谷恵比寿店をオープンした。18年4月にはパーク24<4666>の子会社であるタイムズ24社と業務提携した。
■ストック収益型事業へシフト
市場ニーズに対応した「住まいのワンストップサービス」を提供しながら、収益構造も、人員の増員が必要な労働集約型事業(不動産流通事業、リフォーム事業、不動産売買事業)から、ロイヤリティー収入、賃貸収入、金利収入などが積み上がるストック収益型事業(フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、および不動産担保ローン事業やリバースモーゲージ保証事業などの不動産金融事業)に重点シフトしている。
18年6月期の収益構造は、売上高構成比では労働集約型62%、ストック収益型38%だが、営業利益構成比は労働集約型40%、ストック収益型60%だった。ストック収益型事業が収益柱に成長している。
18年6月末時点の「ハウスドゥ」FC加盟契約数は543店舗だった。中期的な目標は国内1000店舗、アジア5万店舗としている。ハウス・リースバック保有物件数は559件、保有総額は80億04百万円だった。首都圏・中部・近畿の3大都市圏で約9割を占めている。18年7月にはハウス・リースバックの累計契約件数が1000件を突破した。不動産金融事業の担保融資残高は55億87百万円、リバースモーゲージ保証残高は14億70百万円だった。リバースモーゲージ保証事業は提携金融機関を順次拡大している。
■19年6月期大幅増収増益・増配予想、2Qと4Qに大型売却を計画
19年6月期の連結業績予想は、売上高が18年6月期比22.1%増の274億99百万円、営業利益が53.4%増の32億46百万円、経常利益が57.2%増の30億円、純利益が55.0%増の19億83百万円としている。配当予想は8円50銭増配(18年7月1日付株式2分割換算後)の年間31円(期末一括)としている。予想配当性向は30.3%である。配当性向の目標は30%以上としている。
第1四半期は、売上高が前年同期比30.4%増の60億78百万円で、営業利益が8.0%増の4億71百万円、経常利益が7.6%増の4億29百万円、純利益が23.5%増の3億14百万円だった。人件費や広告宣伝費など販管費の増加で営業利益と経常利益の伸び率はやや小幅にとどまったが、ストック型収益事業(フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業)が大幅伸長して売上総利益は21.7%増益だった。
18年9月末時点の「ハウスドゥ」FC加盟契約数は560店舗、ハウス・リースバックの保有物件数は613件、保有総額は84億69百万円、不動産金融事業の担保融資残高は51億21百万円、リバースモーゲージ保証残高は20億34百万円だった。
通期もストック収益型事業が伸長して大幅増収増益予想である。セグメント別の計画はフランチャイズ事業が17.9%増収・18.8%増益、ハウス・リースバック事業が71.1%増収・84.0%増益、不動産金融事業が89.0%増収・2.7倍増益で、不動産売買事業、不動産流通事業、リフォーム事業は横ばいとしている。
第1四半期の進捗率は売上高22.1%、営業利益14.5%とやや低水準だが、第2四半期と第4四半期に不動産ファンド等の大型売却を計画している。通期ベースで好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年6月末の株主対象
株主優待制度は毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は株主優待ポイント表に基づいて進呈されるポイントを、株主限定特設インターネット・サイト「ハウスドゥプレミアム優待倶楽部」において、食品や電化製品などと交換できる。
■株価は売られ過ぎ感
株価(18年7月1日付で株式2分割)は地合い悪化も影響して水準を切り下げ、11月15日には1143円まで下押した。11月15日の終値は1192円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS102円32銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間31円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS498円52銭で算出)は約2.4倍、時価総額は約231億円である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%を超えて売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)