インテージホールディングスの第2四半期は増収ながらCRОが苦戦したことで減益となる
- 2018/11/19 16:32
- 決算発表記事情報
■マーケティング支援(消費税・サービス)の業績は増収増益
インテージホールディングス<4326>(東1)の第2四半期連結業績は、増収となったもののCRО(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査が苦戦したこと等から減益となった。
19年3月期第2四半期連結業績は、売上高230億82百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益12億11百万円(同4.6%減)、経常利益12億16百万円(同17.2%減)、純利益8億09百万円(同19.8%減)となった。
経常利益の減益幅が営業利益の減益幅より大きいのは、前期受取配当金約2億円があったことによる影響。
マーケティング支援(消費税・サービス)の業績は、パネル調査、カスタムリサーチのプロダクト評価を主としたCLT(会場に対象者を集めて調査する手法)、官公庁案件が好調に推移し増収となった。利益面についてはSRI(全国小売店パネル調査)のリニューアルに係る設計、開発等や海外事業の影響を受けたものの増益となった。売上高は149億18百万円(同0.8%増)、営業利益5億05百万円(同9.8%増)で着地した。
■上市される薬効の中心が生活習慣病から希少疾患系へとシフトし、単価が下落
マーケティング事業(ヘルスケア)については、アンテリオの医療用医薬品に係るカスタムリサーチ、一般用医薬品に係るパネル調査は好調であった。しかし、アスクレップのメイン業務であるCRОの製造販売後調査に係る前期末の受注残高減が響き減収となった。利益については、減収の影響を受けたことに加え、アスクレップの医薬品の安全性情報管理や患者会支援サービス等の新規事業に係る投資費用が増加した結果、減益となった。売上高は51億57百万円(同4.3%減)、営業利益5億54百万円(同12.6%減)であった。
なお、CRОの受注残高が減少している要因としては、上市される薬効の中心が生活習慣病から希少疾患系へとシフトしていて、1プロジェクト当たりの単価が大きく下落していることが挙げられる。同社としては、この課題に対応するため、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)等を活用することで経費の削減に努める一方で、成長が見込まれる安全性管理業務の体制整備を急ぐとともに、受注本数増加に注力するとしている。
■ビジネスインテリジェンスは増収ながら減益
ビジネスインテリジェンスは、生命保険分野での開発案件や健康情報サービス導入、旅行分野での開発案件や運用案件の増加に加え、18年3月に子会社化したビルドシステムの貢献により増収となった。しかし、利益面については、一部不採算案件の影響により減益となった。売上高は30億06百万円(同9.5%増)、1億51百万円(同13.7%減)となった。
第2四半期連結業績は、CRОの苦戦、ビジネスインテリジェンスの一部不採算案件などにより、当初予想を下回る結果となったが、通期業績予想については、当初予想を据え置いた。
19年3月期通期連結業績予想は、売上高530億円(前期比5.0%増)、営業利益42億円(同4.4%増)、経常利益4億25百万円(同1.4%減)、純利益29億円(同4.9%減)を見込む。
配当については、減益を見込むものの、株主に対する利益還元を経営上の最重要課題の一つと位置付け、連結の配当性向は35%を目標としていることもあり、一株当たり期末配当22円(前期20円)と2円の増配を予想している。
■マーケティング支援(ヘルスケア)の次期中期経営計画(2020年度~2022年度)では、売上高200億円、営業利益30億円を目指す
トピックスとしては、マーケティング支援(ヘルスケア)のアスクレップとアンテリオの経営統合を19年4月に行う予定である。既に、10月19日に統合会社の新社名を株式会社インテージヘルスケアと決定した。次期中期経営計画(2020年度~2022年度)では、売上高200億円、営業利益30億円を目指すとしている。なお、今期M&Aにより、年商約40億円の協和企画がグループ入りしている。
また、マーケティング支援(消費財・サービス)では、SRIをリニューアルした次世代パネルSRI+を2020年より本格展開する予定である。更に、ビッグデータとの結合による新サービスの開発を展開する計画。
Intage Open Innovation Fundの投資状況については、18年の10月時点で18社の企業に対して約19億円を投資している。最新では、9月12日に訪日外国人向けのショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」を展開する株式会社Payke(本社:沖縄県那覇市)に投資している。
以上のように、サービスのリニューアル、業務の統合、M&A、ベンチャー企業の投資などと積極的に事業展開している。