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アールシーコアは売り一巡して高配当利回りを見直し、19年3月期減益予想だが20年3月期の収益改善期待
- 2018/11/20 08:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アールシーコア<7837>(JQ)はログハウスのオリジナルブランド「BESS」を販売している。19年3月期はカナダの山火事影響による部材納期遅延などで下方修正して減益予想となったが、受注は順調に推移しており、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は下方修正を嫌気して急落したが売り一巡感を強めている。高配当利回りを見直して反発を期待したい。
■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を販売
自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。18年3月期のセグメント別売上構成比は直販部門が31%、販社部門が53%、BP社が16%である。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。
18年3月期末の展示場は42拠点である。18年4月からは単独展示場の呼称を「LOGWAY」に変更し、東京都昭島市に「LOGWAY BESS多摩」をオープンした。東京・代官山「BESS スクエア」および神奈川・藤沢市「BESS 藤沢」に続く3ヶ所目の直営拠点である。また岡山県倉敷市に「LOGWAY BESS倉敷」も新規オープンした。19年には千葉県・木更津地区、福岡県・福岡地区で新規オープンを予定している。
収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。
中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では目標数値として20年3月期売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%、重点戦略としてBESSファンが集う「触媒力」の拡大、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」創出、BESSブランドを旗印とした「販社制度」の強化、そして「生産革新」の実行を掲げている。
■19年3月期は下方修正して減益予想、20年3月期の収益改善期待
19年3月期の連結業績予想は、11月13日に下方修正して、売上高が18年3月期比2.4%増の138億円、営業利益が88.8%減の50百万円、経常利益が89.0%減の50百万円、純利益が64.3%減の1億30百万円とした。配当予想は据え置いて、2円増配の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。連続増配で予想配当性向は161.9%となる。
17年にカナダ西海岸で発生した大規模な山火事等の自然災害によって、主力商品であるカントリーログに必要な大口径の良材の確保が困難となり、顧客や販社に対する部材の納品が大幅に遅延する事態が発生しているため、売上高が計画を下回る。さらにBH生産システム稼働などの先行投資を実施していることも影響して、各利益とも計画を下回り、大幅減益となる見込みだ。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.3%減の58億79百万円、営業利益が3億52百万円の赤字(前年同期は1億14百万円の黒字)、経常利益が3億51百万円の赤字(同1億28百万円の黒字)、純利益が2億16百万円の赤字(同1億14百万円の黒字)だった。
昨年発生したカナダの山火事の影響による部材納期遅延で減収となり、人件費やシステム開発費など先行投資負担も影響して赤字だった。ただし業績先行指標となる全国展示場への新規来場者数は6.4%増加し、再来場者数は6.4%増加した。また契約(受注)高は6.1%増の67億65百万円、契約残高は103億96百万円となった。
19年3月期はカナダの山火事影響による部材納期遅延などで下方修正して減益予想となったが、受注は順調に推移しており、20年3月期は営業強化や生産革新など先行投資の成果で収益改善を期待したい。
■株主還元はDOEを重視、株主優待は3月末と9月末の株主対象
利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として、年2回実施している。
■株価は売り一巡して高配当利回りを見直し
株価は下方修正を嫌気して急落したが1000円近辺で売り一巡感を強めている。11月19日の終値は1003円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS30円90銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1095円44銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約45億円である。5%近辺の高配当利回りを見直して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)