アールテック・ウエノは配当落ちで下げるも1300円台固める動き、今3月期を増額で業績に引き続き期待
- 2015/3/31 10:27
- 株式投資ニュース
アールテック・ウエノ<4573>(JQS)は、15年3月期の業績と配当予想を増額修正した。株価は配当権利落ち等でストンと下げたが、足元では1300円台を固める展開となっている。昨年来高値は2324円(15年3月8日)、同安値945円(14年5月)で27日終値は1325円。
緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、および米スキャンポ社の便秘症治療薬AMITIZA(アミティーザ)カプセル受託製造を主力としている。
当社はAMITIZAカプセルの全世界における独占的製造供給権を保有している。米スキャンポ社はAMITIZAカプセルの日本と欧州での販売承認取得や米国での追加新薬承認取得、さらにレスキュラ点眼薬の米国上市など販売地域や適応の拡大戦略を推進している。また米スキャンポ社は武田薬品工業<4502>とAMITIZAカプセルに関するグローバルライセンス契約を締結(14年10月)している。
中期経営目標値としては16年3月期のROE10%以上を目指し、新薬開発は網膜色素変性、重症ドライアイ、アトピー性皮膚炎関連を中心に進めている。
日本発・世界初の網膜色素変性治療薬を目指す開発コードUF-021(一般名ウノプロストン)については日本で第3相臨床試験を実施している。14年8月にはウノプロストン点眼液へのトロメタモール配合に関する日本特許が成立し、11月にはウノプロストンが厚生労働省から網膜色素変性を対象とするオーファンドラッグに指定された。海外におけるウノプロストンの開発・商業化権については米スキャンポ社にライセンスし、当社はウノプロストン製品の独占的製造供給権を保有している。
日本発・世界初の生物製剤による重症ドライアイ治療薬を目指す遺伝子組み換え人血清アルブミン(RU-101)点眼液については14年11月、米国での第1相および第2相を合わせた臨床試験を完了した。
抗炎症作用や免疫調節作用を有するVAP-1阻害剤である新規化合物RTU-1096については、経口内服薬として14年10月に第1相臨床試験を開始した。候補疾患としてはアトピー性皮膚炎などの皮膚化疾患がある。また皮膚疾患領域では男性型脱毛症関連(RK-023)が第2相臨床試験を開始している。
さる、2月12日に今期(15年3月期)の業績(非連結)と配当予想を増額修正した。通期の業績(非連結)見通しは前回予想(5月14日公表)に対して、売上高を8億76百万円増額して前期比18.2%増の66億39百万円、営業利益を6億78百万円増額して同48.6%増の21億09百万円、経常利益を8億27百万円増額して同53.1%増の22億61百万円、そして純利益を6億23百万円増額して同53.2%増の16億27百万円とした。配当予想は前回予想に対して、期末5円増額して前期比5円増配の年間30円(期末一括)とした。
日本で薬価改定の影響を受けるレスキュラ点眼薬はほぼ想定どおりだが、AMITIZAカプセルの日本での出荷数量が想定を大幅に上回る見通しだ。また米国向けAMITIZAカプセルに関しては為替のドル高・円安がプラス要因となる。