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ケイアイスター不動産は売り一巡して反発期待、19年6月期大幅増収増益・増配予想で高配当利回りも見直し
- 2018/11/26 07:53
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ケイアイスター不動産<3465>(東1)は、首都圏中心に戸建分譲などの不動産事業を展開し、M&A・アライアンスも活用して「不動産×IT」の実現を目指している。19年3月期大幅増収増益・増配予想で、第2四半期累計は順調だった。株価は年初来安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。4%台の高配当利回りも見直し材料だ。
■戸建分譲や注文住宅などの不動産事業
首都圏中心に1次取得層向けの戸建分譲や注文住宅などの不動産事業を展開している。分譲住宅事業では「デザインのケイアイ」を標榜し、住宅ローンが家賃以下となる販売価格設定で「高品質だけど低価格」の住宅を提供している。
販売促進に向けて不動産仲介会社の組織化を図り、17年2月「KEIAI.NET」をスタートさせた。順次エリアを拡大させて加盟店数は18年3月期に132となった。AIによる仲介会社向け商談サポートシステムを導入し、中期的に不動産ネットワークにおける加盟店数全国NO.1を目指す方針だ。
18年3月期の売上構成比は、分譲住宅事業76%、注文住宅事業6%、中古住宅事業2%、よかタウン事業(子会社よかタウンが分譲住宅・注文住宅)12%、旭ハウジング事業(子会社旭ハウジングが神奈川県中心に分譲住宅)3%、その他1%だった。なお19年3月期第2四半期からフレスコ事業(18年8月連結子会社化したフレスコが千葉県中心に注文住宅)を追加している。
販売棟数は、分譲住宅事業が17年3月期比454棟増加の1905棟、注文住宅事業が67棟減少の283棟、中古住宅事業が23棟減少の37棟、よかタウン事業が23棟減少の188棟、旭ハウジング事業が29棟だった。
■「不動産×IT」実現に向けてM&A・アライアンス活用
M&A・アライアンスも活用して「不動産×IT」の実現を目指している。18年4月IoT家具・建具等の木工製品を製造するKAMARQ(シンガポール)と戦略的資本業務提携、18年6月スマートセキュリティソリューション事業のSecualと戦略的資本業務提携した。11月7日には工期短縮・生産性向上に向けて、エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>の連結子会社ネグプランとの業務提携を発表した。
■19年3月期大幅増収増益・増配予想で2Q累計順調
19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比33.9%増の858億40百万円、営業利益が20.4%増の63億80百万円、経常利益が14.3%増の60億40百万円、純利益が17.9%増の40億円としている。M&Aや不動産ネットワーク拡大など、積極的な事業展開で大幅増収増益予想としている。配当予想は13円増配の年間84円(第2四半期末42円、期末42円)としている。予想配当性向は29.8%となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比51.5%増の418億円で、営業利益が8.3%増の24億04百万円、経常利益が6.5%増の23億22百万円、純利益が0.9%増の14億19百万円だった。
財務体質改善を目的とした在庫の早期販売で売上総利益率が低下し、売上増加に伴って仲介手数料が増加したため、増収率に比べて増益率は小幅にとどまったが、概ね計画水準となり、売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。販売棟数は分譲住宅事業が370棟増加の1208棟、注文住宅事業が84棟減少の50棟、中古住宅事業が38棟増加の55棟、よかタウン事業が10棟増加の104棟、旭ハウジング事業が52棟増加の56棟、フレスコ事業(19年3月期第2四半期から新規連結)が33棟だった。
なお18年6月子会社ケイアイプランニングを設立し、名古屋商圏で初の分譲地が完成している。また「KEIAI.NET」加盟店数は18年10月末時点で204となった。M&A・アライアンスも活用した積極的な事業展開で通期も好業績が期待される。
■株主優待は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点で1単元以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している。
■株価は売り一巡して反発期待、高配当利回りも見直し
株価は11月20日に年初来安値1761円まで下押したが、概ね1800円近辺で売り一巡感を強めている。11月22日の終値は1813円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS281円86銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間84円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS936円02銭で算出)は約1.9倍、時価総額は約258億円である。売り一巡して反発を期待したい。4%台の高配当利回りも見直し材料だ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)