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夢真ホールディングスは調整一巡して出直り期待、19年9月期大幅増益予想
- 2018/11/29 07:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は建設技術者派遣事業や製造・IT業界向けエンジニア派遣事業などを展開している。18年9月期は大幅増収増益で着地した。需要が高水準に推移して19年9月期も大幅増収増益予想である。なお19年1月31日付で連結子会社の夢テクノロジー<2458>を完全子会社化する。株価は水準を切り下げて軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■建設技術者派遣事業を主力にエンジニア派遣事業も展開
建設技術者派遣事業を主力として、連結子会社夢テクノロジー<2458>の製造・IT業界向けエンジニア派遣事業や、その他事業(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成など)も展開している。グループ合計の稼働技術者数は18年10月に7000人を突破した。
経営リソースを成長セグメントに集中し、管理機能や人的資源の有効活用を図るためグループ再編も進めている。17年12月には連結子会社Keepdataの株式を譲渡した。一方で夢真テクノロジーがエンジニア派遣事業のクルンテープを子会社化、18年8月夢テクノロジーが夢エデュケーションを吸収合併した。18年10月には子会社の夢ソリューションズを吸収合併、フィリピンのP4U社を子会社化、ITエンジニア派遣のネプラスを子会社化、建機・液晶設計の三立機械設計を子会社化した。
さらに19年1月31日付で連結子会社の夢テクノロジー<2458>を、株式交換によって完全子会社化する。グループ成長戦略として、エンジニア分野の採用やM&Aを加速する。なお夢テクノロジーは19年1月28日付で上場廃止となる。
■18年9月期は大幅増収増益、19年9月期も大幅増収増益予想
18年9月期の連結業績は、売上高が17年9月期比32.5%増の404億19百万円、営業利益が2.2倍の51億86百万円、経常利益が2.0倍の49億40百万円、純利益が2.5倍の36億35百万円だった。需要が高水準に推移し、不採算事業の整理も寄与して大幅増収増益だった。売上総利益率は1,7ポイント上昇、販管費比率は3.3ポイント低下した。配当は17年9月期と同額の年間35円(第2四半期末15円、期末20円)とした。配当性向は71.8%である。
建設技術者派遣事業は、売上高が31.0%増の296億09百万円で営業利益が73.1%増の49億80百万円だった。年間計画2500人を上回る2764人を採用し、期中平均技術者数は24.8%増の4852人、期末技術者数は15.1%増の5066人となった。稼働人数の増加、稼働率・派遣単価の上昇、採用費等のコントロール効果で大幅増収増益だった。
エンジニア派遣事業は、売上高が40.5%増の103億78百万円で営業利益が2.6倍の4億65百万円だった。前期の941人を上回る1118人を採用し、期中平均エンジニア者数は39.8%増の1977人、期末エンジニア数は40.6%増の2414人となった。稼働人数の増加、稼働率・派遣単価の上昇、採用活動の効率化で大幅増収増益だった。
19年9月期の連結業績予想は、売上高が18年9月期比23.7%増の500億円、営業利益が15.7%増の60億円、経常利益が21.4%増の60億円、純利益が12.8%増の41億円としている。なお19年1月31日付で夢テクノロジー<2458>を完全子会社化する。配当は18年9月期と同額の年間35円(第2四半期末15円、期末20円)としている。予想配当性向は63.7%となる。
需要が高水準に推移し、派遣単価上昇も寄与して大幅増収増益予想である。セグメント別の計画は、建設技術者派遣事業の売上高が21.6%増の360億円、営業利益が20.5%増の60億円、採用人数が2800人、期末在籍人数が5900人、エンジニア派遣事業の売上高が25.2%増の130億円、営業利益が0億円、採用人数が1800人、期末在籍人数が3400人としている。その他事業では外国人活用ビジネスをスタートする。
なお月次速報によると18年10月の稼働人数は前年同月比28%増の7147人(建設技術者派遣事業が4707人、エンジニア派遣事業が2440人)と順調に推移している。19年9月期も好業績が期待される。
■21年9月期営業利益100億円目標
新中期経営計画(19年9月期~21年9月期)では21年9月期売上高762億円、営業利益100億円、純利益68億円を目標に掲げている。セグメント別には建設技術者派遣の売上高580億円、営業利益80億円、期末技術者数7800人、エンジニア派遣の売上高250億円、営業利益18億円、期末技術者数5500人としている。
なお株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上を維持する。ROEは30%以上を目指す。さらに東証1部への市場変更を目指すとしている。
■株主優待制度は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、18年9月末から導入した。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換する。ポイントは次年度に繰り越すことができ、最大2年間有効である。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は11月15日に年初来安値845円まで下押す場面があった。水準を切り下げて軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月28日の終値は890円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS54円98銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS172円61銭で算出)は約5.2倍、時価総額は約664億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)