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神鋼商事は19年3月期営業・経常減益予想を織り込んで下値固め完了感
- 2018/12/6 08:16
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期営業・経常減益予想だが、これを織り込んで株価は下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も強い。出直りを期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■19年3月期営業・経常減益予想だが2Q累計概ね順調
19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、そして純利益が0.9%増の55億円としている。営業・経常減益予想だが、期初計画との比較で円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して減益幅が縮小する。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の4622億27百万円、営業利益が1.6%減の35億67百万円、経常利益が5.0%減の39億15百万円、純利益が2.8%増の29億34百万円だった。鋼材価格の上昇、北米における鋼材や自動車向けアルミ・銅製品の数量増加などで増収だが、販管費の増加で営業・経常減益だった。
セグメント別の経常利益は、鉄鋼が19.7%増の23億54百万円、鉄鋼原料が0.1%減の5億58百万円、非鉄金属が21.7%減の9億14百万円、機械・情報が2百万円の赤字(前年同期は1億57百万円の黒字)、溶材が43.0%増の81百万円だった。
通期では鉄鋼、機械・情報、溶材が増益見込み、鉄鋼原料、非鉄金属が減益見込みとしている。第2四半期累計の進捗率は売上高48.9%、経常利益48.9%と概ね順調だった。
■株価は下値固め完了感
株価は年初来安値圏だが、概ね2700円近辺で推移し、19年3月期営業・経常減益予想を織り込んで下値固め完了感を強めている。指標面の割安感は強い。出直りを期待したい。
12月5日の終値は2724円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約241億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)